第五話 龍崎一家のひとときと龍神の娘

「ねえ、祈織。リュウには出会った?」


「…えっ?」


私は紅蘭栖お母さんの一言で飲んでた紅茶を吹き出しそうになり間を空けて言葉を紡いでいた

え?リュウってあのポンコツイケメンのこと??


「リュウって…あのポンコツ…ごほんごほん。あの人と知り合いなの?」


「お母さん達の友人の娘さんよ?」


紅蘭栖お母さんがそういうと隣から笑い声がした。そう、恋織お母さんだった。


「あっははは~龍耶、祈織にポンコツイケメンって呼ばれてるのか。面白すぎてお腹痛い」


「恋織さん、笑いすぎですよ。それにボクは気にしてないので♡」ウィンク


恋織お母さんは何をツボに入ったのか笑いすぎてると…。話題になってるポンコツイケメンもとい龍耶さんがお冷を持って来ていた。龍耶さんのお母さん達が注文受けるはずが何故か龍耶さんに変わったらしい


「それで何にしますか?」


「そうね…私はブレンドコーヒーのアイス。恋織は?」


「私はエスプレッソで」


「ご注文繰り返しますね。紅蘭栖さんがブレンドアイスと恋織さんがエスプレッソですね。かしこまりました。」ニコッ


龍耶さんは2人の注文を受けてカウンターに向かって行ってた。私はその姿に見惚れていた…普通にしてればカッコイイのにと心で思っていた。はっ!違う違う!!別に好きとかじゃないし!!本当だよ??


「ねぇ、祈織」


「なに?紅蘭栖お母さん?」


「正直リュウの事好きでしょ?」


「んなっ!?そ、そんなことないし!///////紅蘭栖お母さんなななに言ってるの!///////やだなぁ~あはは」


紅蘭栖お母さんは体ごとこちらに向けて聞いてきたのだ。私と紅蘭栖お母さんだけが聞こえる声で


「これは図星ね」


「そうね。という事だからリュウ頼んだわよ?ふふっ」


「はい♪」ニコッ


「はぁぁ!?ど、どういう事!?!?」


「実は…ね?」


私は小1時間、私とポンコツイケメンもとい龍耶さんのこれからの事を聞かされた。これは仕組まれた運命としか言えない内容だった。龍耶さんが前世の記憶保持者で私と深い繋がりがあると…私は覚えてないしそんな事があったなんて知る由もない


「龍耶さんは知ってたんですか?」


「んー……正直なこと言うと最初っから知ってた感じかな?キミと出会い、恋をする事もね♡」ニコッ


「んなっ…!?//////」


本日二回目の「んなっ」が出た。それはそう。

龍耶さんにしてやられた感じではあるのだから。人たらしじゃなくて策士だわこの人

絶対に苦労するわ。特に私が…。なんでこんな人好きになっちゃったんだろう。別に嫌いじゃないし寧ろ、大好きだし初めて会った時に存在そのものに惹かれたのは間違いではないのだから。この人の側にずっと居たいと思う程に私はこの姫神龍耶という存在に心から惹かれていた。

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