第27話 幻覚の現実性 その一

おばけ、ユーレイが見える、なんて言う人は二種類のパターンの人間がいると思う。

どちらにせよ近づかない方がいいと思う。

一つは単純にウソつきだ、このタイプの人間がほとんどだと思うし、わかりやすい。

もう一つのタイプは幻覚だ。

こっちは複雑だ、本人に自覚がない場合、本当にそう思い込んでいるのだ。

私は人に話した事もないし、話すつもりもないが幻覚を見たことが三回ある。

三回目に幻覚だったんだと気づく事ができ、じゃあアレとアレも幻覚だったんだ、と

その時まで実物と幻覚の区別がついていなかったのだ、私の場合はクモだった。

私はテレビでしかタランチュラを見た事はないが、そのくらい大きいサイズのクモが天井からぶら下がっていて、そのままカーテンに着地し、カーテンの裏に入っていった。

私はクモは平気なほうだが、とにかくサイズが大きくて、どう処理しよう、カーテンから急に出てこないよな、と

とにかくドキドキしていて、しばらくカーテンを開けられないでいた。

それでも視線はカーテンからはなさず三十分か一時間かたった頃、やっとの思いでカーテンを開けると、そこにクモの姿はなかった。

それが一回目である。

この後、数日間はずっとビクビクしていた、処理できていなかったから、どこにいったのか?という疑問が当然あったからだ。

カーテンを開けた時に落っこちて、ベッドの下に入り込んだのかな?なんて思っていた気がする。

まだ半分くらいなので続く。

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