秘密の授業〜黒髪優等生×ゆるふわ先生〜

暴走天使アリス

特別授業〜秘密のお付き合い〜

普段は騒がしい教室。今はたった2人、生徒と先生。それだけであればなんの問題もないが……その関係性は恋人なのだ。もっとも、パッと見ると背が低い方が生徒に見えるがそちらが先生であり、その先生が余裕のない表情をしている。どちらが優位に立っているのかは明白である。

そんな2人の特別授業……始まりは数ヶ月前に遡る。



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「はい、今日はここまで〜。明日は今日の続きからやりまーす。気をつけて帰って下さいね〜。今日の進路面談の人は残ってね〜」


間延びした心地の良い声が教室に響く。大勢の生徒に好かれている声の主はうちのクラスの担任、優奈先生。ミルクティーのような髪色をしていて先生がそんな髪色で良いのか、なんて思うこともあるけど気にしないことにしている。身長は私よりも10cm低くて、顔はめっちゃ可愛い。性格も優しくて、本当に沢山の生徒に好かれている。かくいう私もそんな先生のことが好きだけど…私のいう好きは恋愛的な好き、なのだ。この学校に入った時から一目惚れして、今の今まで隠して生活してきていた。でも、私もそろそろ卒業が近づいて来ている訳で…そろそろアプローチしてもいいんじゃないか…なんて思い始めている。だって、約3年間我慢したんだし、勉強も運動も頑張った。……先生が褒めてくれるのが嬉しすぎて頑張りすぎただけなんだけど……それでも、この約3年間頑張ってきたわけなんだから、ご褒美的な何かがあってもいいと思うんだ。卒業すれば生徒と先生って関係じゃなくなるし、付き合っても問題ないはず。先生は今年で25歳になるらしいけど……とてもそうは見えない。高校生って言っても全く違和感がないレベルだ。私が18歳だから……7歳差。少し歳の差があるけど全くもって気にならない。歳なんて関係ない。だって本気で好きなんだから。


「さて、最後は綾さんだけだね〜。進路面談始めるよー」


先生に呼ばれた。私が最後らしい。これは都合がいい。


「よし。綾さんは〜、成績優秀だし、素行の問題も全くないし〜大抵の大学行けると思うけど希望はある?」

「ここから1番近い所がいいです」

「なるほどー?あそこならうちの推薦で行けるね〜。他に進路について聞きたいこととかある〜?」

「特にないですかね」

「おっけいおっけい。ん〜結構早く終わっちゃったね?」


これは、チャンスなのでは?ここからいい感じに話をしていって……


「じゃあ、別の相談事があるんですけど、いいですか?」

「お悩み相談ね、良いよ〜。どんなお悩みでもしっかり聞いてあげるよ〜」


「先生は……女性を好きになったことはありますか?」

「……なるほど?そういう系ね。ちなみに私は今のところないけど好きになるのに性別は関係ないかな〜」

「では、年の差についてはどう思いますか?」

「お互いが好き同士なら全然いいと思うよ〜」


懸念点オールクリア!いや、まだ生徒と先生って言う最大の壁がいるけどそれはそれ。


「それにしても綾さんが恋の相談とはね〜なんだか感慨深いな〜その人はどんな人なの?」


先生です!……という言葉を飲み込んで最愛の人について語る。


「まず、もうわかってると思うんですけど、相手は女の人で7歳上なんです。きっかけは一目惚れでもう3年ほど片思いしてて。普段はなんだかポワポワしててとっても可愛いんです。でも、色んな人から好かれててたまに嫉妬しちゃったりすることがあって…私とその人の立場的にも付き合えない確率の方が圧倒的に高くて、でもやっぱり気持ちを伝えたくて。あわよくば付き合いたいって思ってます」

「……ふむ?なる……ほど?いやいや、流石に……でも、……えぇ?んんん?」


お、少し気づきそうになってる。この際だし、バラそうかな……


「ミルクティーみたいな髪色をしてて、私よりも10cmほど背が低くて、先生をやってる人なんですけど、その人のことを見てるとキスしたくなっちゃうんです」

「……え?え?…私?いや、私だよね?」

「えへへ、気づいちゃいましたか?」


さて、バレちゃった訳だし……断られるのは……嫌だなぁ。わかっているけどやっぱり断られるのは嫌だ。だから……


「ッ!!え、ちょ、なんでキスして……」

「ふふ、先生?生徒とキス…しちゃいましたね。先生ともあろう人が生徒とキスしちゃうなんて……」

「い、いや、今のは綾さんが……」

「どっちからかなんて関係ないんですよ。問題なのはキスをしたって言う事実。でも、先生。私は先生のことが好きですから、付き合ってくれるなら黙っててあげます。それに恋人同士ならキスしたって問題ないですからね」


我ながら最低……先生に対して脅しなんて……でもほかに方法が思いつかない。ごめんなさい……


「……分かりましたよ。付き合いましょうか。でも!卒業まではキスまでですからね?」

「いいんですか?本当に?」

「…本当は脅しなんてしたくないんでしょ?泣きそうになってるから。それに…綾さんは可愛いから恋人にしてもいいかな〜って」

「ありがとうございます……!!これから、よろしくお願いします!!」



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それから私の希望で週に一回……水曜日に放課後に秘密の授業が始まった。主にイチャイチャしてキスをする時間なんだけど……学校ってことで授業って言ってる。

私は今、膝の上に優奈を乗せている。あ、そうそう。呼び方を変えたんだよね、お互い呼び捨て…この時間だけの特別な呼び方。まあ、心の中では何時でも呼び捨てなんだけども。


「ねぇ〜?服の中に手を入れるのはダメな気がするんだけど〜?」

「えぇ?別にいいでしょ?優奈小さくて可愛いから全身なでなでしたくなっちゃうし」

「また言った…背が大きいからって調子乗ってる〜!」

「文句を言われてもなぁ。……あ、」

「え、ちょ、なんでブラ外すの!?さすがにまだダメだよ!?」


ミスった。外すつもりは本当に無かった。でもさっきよりもより感じるようになった胸の膨らみを堪能してしまうのは仕方ないと思う。


「も〜!変態!!」


そう言ってそそくさと私の膝から降りて教卓に隠れてしまった。直してるのかな。残念。


「ごめんね?でも優奈が恥ずかしがってるの見るの好きだからさ…今後もいっぱい見せてね?」

「うぅぅ……やっぱり変態だ……」



今日は水曜日。次は1週間後。短いように見えてとっても長い。でも、この時間を積み重ねて、仲を深めていきたい。秘密の授業はこれからも続く。

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