リンガは封印され、飛来物は着水した

「ははははは……!今ここでワシを殺せば、100年かけて社会に潜ませたワシの支持者たちが暴れるけど……いいのかい?」




 リンガを失神させてから数分後、俺が赤、緑、藍のスキルを使って創った縄で拘束された状態の彼女が目を覚まし、俺達に問いかけた。


 なお、その間にプルサ師匠とクァガミさん、アルクさんが鼻と口を覆う翻訳用魔道具を付けた状態で駆け付けた。


「安心して……ワタシたちはそんなに脳無しじゃないよ。キミを殺すことは、ないから」


 師匠の答えを聞き、リンガが安堵した表情を浮かべる。


「というわけで、この高性能封印用魔道具『軟禁玉』にあなたを封印し、ミロヨ監獄に引き渡していただきますね」


 青ざめたリンガをよそに、クァガミさんが軟禁玉に魔力を送り、起動させる。


 軟禁玉に穴が開き、拘束されたリンガが吸い込まれていく。


「あっああっ!辞めて辞めて辞めてぇ!辞めてぇ!やだーーーーーーー!」


 リンガは最後まで芋虫のようにもがいて抗うも、玉の中に吸い込まれていった。




 ドッボオオオオオン!!


 その直後、俺達がいる場所から数キロ離れた海辺に飛来物が着水した。


「ついに来たか!」


「ワタシ……飛来物が落ちた現場まで行ってもいいかな?」


「いや……ここはみんなで行った方がいいのでは?」


「ダメだございます。リンガという超危険人物を封印した魔道具を持っている以上、それを守り、監獄に引き渡す人間も何人か必要でしょう」


 一級冒険者たちがこの後どうするかを話し合い始める。


「俺が……飛来物の確認を行う」


 俺は、思い切って勇気を出した。


「俺のスキルは皆自我を持っていて、俺の危機には自動で動いてくれる。飛来物には未知の危険があるから……ここは俺がいく」


「ふふ、ワタシに似て険しい道を選ぶようになったねヨウロ……じゃあ、ワタシとヨウロの2人で行くのは……どう?」


「賛成でございます」

「さ、賛成です!」

「それでいい。あと、これも渡しとく」


 他の1級冒険者たちが師匠と俺の提案に賛同し、アルクさんは何かあったときのために、翻訳用魔道具を俺達に予備含めて3つ渡してくれた。



「ボクも……行きます!」


 そして、ナーシェンもついていくことになった。


 こうして、俺と師匠、ナーシェンの3人で飛来物の着水現場まで向かうことになった。

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