Juxtaposition

日本語では「並置」と呼ばれるテクニックです。


さけ いくら にしん かずのこ たら たらこ


といったように、複数の言葉を並べて字面以上の文学的な意味を与えようとする効果です。


例えば上の文章は6つの名詞を並べただけですが (575のリズムになっていることはさておき) 、魚の名前とその卵の呼び名の関係が綴られていると読み取れるはずです。さけの卵はいくらですし、にしんの卵はかずのこ、たらの卵はたらこですものね。しかし、「魚と卵の関係について書いた文である」とはどこにも明記されて居ませんね。読者に行間を読み取る余地を与えるにはうってつけのテクニックなのです。


基本的には任意のカテゴリーに沿って言葉をチョイスした方が、読者に並置を用いた意図が伝わりやすくなるのでおすすめです。逆に、並べ立てる言葉のルールが抽象的で複雑なものであればあるほど読み応えは増します。


たとえば「卒業式」を表現するために言葉を並べてみましょうか。


体育館の後ろ半分 パイプ椅子 親 ビデオカメラ G線上のアリア 校長


あー、ってなる人居ますかね。こんな感じです。Juxtapositionの応用についてはレベル3でいつか触れます。


最後に。「何となく」ってのが一番ダメ。作為的に言葉を紡ぐには時間が掛かるけれど、何も考えずに言葉を使うなんて、そんなの誰にでも書ける小説しか貴方は生み出すことが出来ない証拠になってしまう。考えて書こう。私、コラムにも書いたよね。ひたすらに考えて書けって。

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