第40話:猛猫取扱説明書
仔猫の可愛さに気を緩めてはいけない。
チマチマフワフワ癒される~からの、恐怖体験ができる猫ハウスがここにある。
「ミイッ! ミイッ! (かまって! かまって!)」
可愛く鳴いて、ケージの天井部分まで登ってくるジョイ。
その愛らしい姿を撮影していると、無言で猛猫が飛んでくる。
威嚇という予告無しに放たれるパンチ!
それはもう、下手なホラーハウスより恐い。
怪我をする可能性もあるので、手や顔をケージに近付けてはいけない。
可愛い子の癒やしに続く猛猫アタックは、5/24にYouTubeやInstagramやXにアゲているので、読者の中には観た人もいるかもしれない。
目隠し代わりにケージ側面に貼ってある段ボールの向こう側のリンネがどんな感じかは、36話「最恐のセキュリティ」をどうぞ。
最恐レベルの猛猫は、我が子には甘い。
「ミッ! (えいっ!)」
「ンニャッ、シャーッ! (痛い、何すんの!)
「……って、こっちに怒られてもなぁ」
リンネは腹部にボスッと特攻されても、仔猫を叱らない。
代わりに、保護主が八つ当たりされる。
まるで子供を叱らずに周囲の人間を攻めるモンペのようだ。
教育の現場で嫌われる親だな。
そんな猛猫の、避妊手術時期が迫りつつある。
仔猫たちの預かりを、近所の人が快諾してくれた。
6/16から、チマチマ5匹まとめて預かりよろしく!
リンネの手術日程を、獣医師に相談して返事待ち。
術後のリンネも、預かりボラのもとへ行く。
猛猫ぶりは動画を見せているので分かっているだろうけど、預かり希望者のためにリンネの取説を書いておこう。
①ケージに触れる際は、必ず皮手袋をする(近付くだけでパンチが飛ぶ)
②これから何をするか、話しかけてから作業をする(断りなしに何かするとパンチが飛ぶ)
③ケージの中には手を入れない(手を入れると高速3連パンチからの噛みつき攻撃を食らう)
④トイレ容器などの取り出しには、皮手袋を着用の上で、マジックハンドを使用する(手はNG)
⑤作業が終わったら貢物として、ちゅーるを差し出す(話しかけながら差し出せば基本的にパンチしない)
⑥リンネが嫌うのは「人間の手」と「無言」(黙っていると、食べ物を差し出してもパンチが飛ぶ)
⑦好物は液状オヤツで、「ちゅーる」という単語を覚えている
……大体こんな感じ。
預かってくれるボラさんには、我が家で使っている猛猫対策グッズセットを貸し出そう。
ボラさんはリンネが屋外生活をしていた頃にスリゴロだったのを知る人物。
仔猫が一緒にいるから狂暴化しているだけかも? とのことなので、手術後から隔離するリンネの変化を観察してもらう。
リンネは、子育てから解放されたら変わるだろうか?
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