第30話:ケージ散らかし隊現る

  先週あたりから、今までの掃除方法ではケージ内が片付かなくなった。

 成長と共に活発になってきた仔猫たちが駆け回り、猫砂をまき散らす。


 通称「ケージ散らかし隊」が、猛猫にオプションで追加!

 ペットシーツから猫砂まで、全力で散らかすチビッコ集団がケージ内に現れた。


 奥の方に散らばった猫砂は、柄の短いワイパーではかき出せない。

 そこで、ケージ奥まで届く柄の長いワイパーを買ってきた。


 猛猫対策用品追加!


 百均で売っていた、柄の長いワイパー。

 これでケージ奥も掃除が可能になった。


「見てリンネ、新しい掃除道具だよ~」

「ウゥゥ~! シャアァ~ッ! (まぁた変な物持ってきた!)」


 リンネに見せると毎度ながら怒られるが、気にしない。

 ケージの扉に手を伸ばすと飛びかかる猛猫を皮手袋で防御しつつ、長ワイパーを差し入れたらリンネは後退していった。


「キュー、キュー (なにこれ?)」

「あ~君たち、それはオモチャじゃないよ」


 下がるリンネに代わって、長ワイパーに寄ってくるのがチビッコ軍団。 

 可愛いけど、掃除できなくて困る。


「キュウ~ (遊ぶでち)」

「はいはい、どいてどいて~」

「シャーッ! カッ! (うちの子に何すんの!)」


 群がるチビッコ集団を長ワイパーで押しのけたら、リンネに怒られた。

 ワイパーの柄を連打されるが、構わず掃除を続ける。


「よし、猫砂かき寄せ完了~。って、また散らかすんかーい」


 せっかく手前にかき寄せた猫砂に、真っ先にダイブするのが黒猫サンテ。

 続いて他の子も飛び込んでくる。


 小さいフワフワモフモフの乱舞!

 可愛い、間違いなく可愛い。

 しかし、掃除の邪魔なんだよぉぉぉ!


 また散らばる猫砂。

 奥まで散らなかったのは幸いだ。

 ケージの床トレーを引き出して、柄の短いワイパーを使ってケージ外へかき出した。

 後方にいるリンネは、迷惑そうな顔をしながら床トレーに座っている。

 トレーを引き出しても押し戻しても、その場を動かず唸るだけだった。


 パンチしてこないのは、間に仔猫がモリモリいて飛びかかれないからだろうか?

 散らかされるのは困るけど、猛猫アタックの防壁になってくれるのは助かる。


「はい、掃除完了。ゴハン~ってそれも散らかすのかよ」

「キュー、キュー (ゴハンだ~)」

「ウマウマウマ (←訳さなくていい?)」


 ふやかしたドライフードを長皿に持って、床トレーに置いてケージ内に入れる。

 で、これも散らかすのがチビッコ軍団。

 それは母猫リンネにお任せして、御世話タイム完了。

 散らかし隊のおかげで、掃除タイムが倍になってしまった。



※ケージ散らかし隊と掃除用具

https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093077492922074

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