第31話:ミニデッキブラシ

 茶系の3匹のうち、ジョイとルストは毛色が似ていてすぐには見分けがつかない。

 よーく見ると、斑の配置が違うのがお分かりいただけるだろうか?


 お馴染みの百均商品による猛猫対策。

 ケージの床トレーにこびりついた食べカス掃除のため、デッキブラシみたいな物を用意してみた。

 できればケージの扉を開けずに使える物が欲しいので、探してみたらハンディタイプのブラシと、フローリングワイパーなどに使うパーツ(柄の部分)を発見。

 柄に対応するパーツではなかったけど、ケージの格子の間から差し込むのにちょうどいいサイズのブラシを、透明テープでくっつけて、ミニデッキブラシ完成。

 早速それを持って行き、御世話タイムスタート。


「ウゥゥ~ッ (また変なの持ってきたわね)」

「ワイパーだと床をゴシゴシできないから、ブラシを買ってきたよ」


 リンネの反応が薄まってきた。

 トング、塩ビパイプ、ワイパー、猛猫対策用品を見飽きたのかもしれない。


「キュー、キュー (なんか入ってきたでち)」

「キュウゥ~ (遊ぶでち~)」


 一方、仔猫たちは興味津々。

 警戒心なんてこれっぽっちも無い。

 まるで猫じゃらしで遊ぶような反応だ。

 みんなで群がりじゃれついてくる。


 可愛い!


 けど掃除の邪魔だから、どいてくれ~!


 どうにかケージ床の細かいゴミや汚れを手前に掃き寄せて、床トレーを少し引き出して短いワイパーでかき出した。

 トレーを引き出したら仔猫も一緒に出てきそうになるのを、ワイパーで押し戻す。

 仔猫はキョトンとした顔のまま、手前から奥へ押されて転がった。


「シャーッ! ウゥゥ~! (うちの子を雑に扱うな!)」

「だったらこっちに来させないでよ~」


 仔猫を押し戻したら、リンネに怒られた。

 そのくせ仔猫たちがこちらへ来るのは止めもしない。

 ちょっと理不尽な気がする。

 まるでモンペのようだよ、リンネ。


「掃除終わり~ペットシーツ敷くよ~」

「キュー、キュー (なんか入ってきたでち)」

「キュウゥ~ (遊ぶでち~)」

「って、秒でクシャクシャにするんかーい」

「アーオゥ~ (そんなもん敷くだけ無駄よ)」


 床トレーを引き出したところから中へ押し込むようにペットシーツを敷けば、仔猫たちが群がり遊び始めた。

 ペットシーツに飛び乗って、ズズッと滑るように動くのが楽しいらしい。

 あっという間にペットシーツはクシャクシャにされてしまった。

 リンネはといえば、端っこに寄って何か悟りを開いたみたいに目を細めて座っている。

 なんだか子育てに疲れたお母さんのようだ(まさにそれだけど)。 


 ケージの中に棒が差し入れられても、リンネは眺めるだけでパンチはしない。

 しかし、トイレ容器の出し入れ時には、相変わらず猛烈パンチを浴びせてくる。

 棒だけじゃなくて、人間も見飽きて無関心になってくれないかな?

 懐いてくれとは言わないから、パンチはやめてほしいな。


※ミニデッキブラシとリンネたち

https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093077554421263

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