第26話:マイクルのタックル
夜、仕事から帰ってリンネたちの御世話に行ったら、仔猫5匹のうち4匹が猫トイレの中に座っていた。
まるで、箱詰めされたぬいぐるみみたいな愛らしさ。
可愛いけれど、トイレの取り出しに躊躇してしまう。
(これ、トイレごと仔猫をかっさらったら、リンネ大激怒するやつ?!)
まあでもトイレ容器を持ち上げたら飛び降りてくれるだろうと思い、皮手袋をしてトイレ容器の縁を掴み、いつものようにサッと取り出す。
が、4匹は全く逃げる様子が無く、そのままトイレ容器と一緒にケージの外へ……
(あれ? リンネのパンチがこない?)
いつもならトイレ容器を取り出す際に飛んでくる猛猫パンチが無い。
あっさり取り出してしまったトイレ容器をケージの横へ置き、リンネの様子を見て納得。
「キュー、キュー (ママ、ボクと遊ぶでち)」
タイミング良く、マイクルがリンネにタックル!
転がされたリンネはこちらを見ていなかった。
マイクル、GJ!
取り出された仔猫たちは全く怯える様子は無く、ポワンとした表情で座ったままだ。
可愛いけどトイレ掃除ができないので、1匹ずつ掴んで空いている箱に移し替えて、トイレの掃除にとりかかる。
フーもシャーもなく、掴まれても箱に移されても大人しくされるがままの仔猫たち。
君たち、猛猫遺伝子どこいった?!
リンネの子とは思えないほど、みんなおっとりしている。
(そうだ、せっかくだから体重を計ろう)
初めて触れることができた、5つの宝物。
その重さを、計ってみたくなった。
せっかくのチャンス、1匹ずつ体重測定をしてみよう。
サンテ/410g
ジョイ/397g
ルスト/402g
ジョワ/400g
みんな400g前後だった。
マイクルも計りたいけど、ケージ奥でリンネとじゃれ合ってる真っ最中だから無理そうだ。
みんなと大きさは同じくらいなので、400gくらいだろう。
(……で。これどうやってケージに戻す?)
体重を計り終えた仔猫たちを掃除済みのトイレ容器に入れて、その先を考えるとちょっと緊張する。
ケージに戻すときにリンネがどう反応するか?
激怒して飛びかかられそうな気がするぞ。
リンネのケージは左右と後方を壁や段ボールで覆っているので、今はリンネの位置からケージ横に置いている仔猫たちは見えていない。
ケージ前方の扉から入れる際は、完全に見えてしまう。
(さすがに仔猫が入っているトイレ容器にパンチは飛ばしてこない……よね?)
そう思いつつ、チラッとリンネの様子を見たら、仰向けにひっくり返ってマイクルのボディーアタックを受けている真っ最中だった。
今がチャンス!
ケージの扉を素早く開けて、仔猫入りトイレ容器をサッと置く。
タイミング良くマイクルが顔面にタックルしていて、リンネは気付かなかった。
トイレ容器の出し入れでパンチが飛んでこなかったのは、この時が初めて。
そうして事なきを得て、初の体重測定とチマチマモフモフ癒しタイムは終了。
マイクル、2回もナイスタイミングなタックルありがとう!
まさか狙ってやったなんてことは……あるのか?!
※体重測定画像
https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093077227483577
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます