第7話:シャーパン変わらず産後7日目

「ウウウゥ~(また来たな人間め)」

「ごはん持って来たんだよ」

「ウアーオ、シャーッ!(置いたらすぐ消えろ!)」

「トイレも掃除するよ」

「カッ!(近寄るな!)」


 産後7日目のリンネ、今日もキレのいいパンチを飛ばす。

 いつも保護部屋に入って最初にリンネ撮影するのだけど、今回タイミングよく(?)シャーする顔が撮れた。

 この顔とポーズの後に「カッ」という威嚇と共にパンチがくる。

 パンチはケージの扉を開けて猫トイレを取り出す際に飛んでくる。

 猫トイレにしているプラスチックの容器をバシッと叩くのが、リンネの日課。

 幸いまだ一度も食らっていない。

 いつ猫トイレ容器パンチガードを越えてくるかと警戒しつつ掃除する。

 パンチから身を守る防具として皮手袋は持っているけど、作業しづらいので滅多に装着していない。


 4月21日の譲渡会で、墓荒らし猫の相談を受けた。

 墓場に母子猫が居着いて、供え物をメチャクチャにしたり、香炉でオシッコやウンチをしたりするらしい。

 とりあえず、まずは保健所に相談するように伝えたものの、母猫がついている上に健康そうなので、保健所は引き取らないだろうなと予想していた。

(翌日、予想通り保健所は収容を断っていた)

 相談者はラリマーの保護施設を手伝ってくれている人なので、施設管理人が許可して施設入り決定。

 母猫1匹と仔猫4匹、みんな人慣れしていて初対面の人間が抱き上げられるスリゴロだという。

 そのスリゴロ、うちのシャーパンお嬢に分けてほしい。


 猫が人懐っこいか否かは、生まれつきの性格。

 同じ環境に生まれ育っても、スリゴロもいればビビリもいる。

 墓荒らし母子がスリゴロなのは、元からの性格によるもの。

 リンネがシャーパンなのも、元からの性格だろう。

 人懐っこい猫は、飼い猫生活を楽しんでくれると思う。

 シャーパン猫は、屋外生活の方がストレスが少ないと思う。


 リンネは、地域猫にする方がいいのかなぁ?


「ウウウゥ~(人間なんか大嫌いだ)」


 こちらの姿が見えている間、唸るか威嚇するかのリンネ。

 ストレスを与えるのが申し訳ないので、お世話タイムはなるべく短く済むようにしている。


 TNRの避妊手術タイミングは、産んだ仔猫たちがドライフードを食べられるようになった頃。

 屋外生活を続けている猫なら、産後1ヶ月過ぎたら避妊手術しないと、次の子を宿してしまう可能性があると獣医師が言っていた。

 リンネはオス猫と接触することはないけれど、地域猫にするなら産後1ヶ月が経つ5月15日頃に避妊手術した方がいいかもしれない。

 とりあえず今は仔猫たちの成長を見守りつつ、今後の予定をゆっくり考えよう。



 ※リンネと子供たち 2024.4.21撮影

 https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093076018500380

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