978

 代金を支払うと、君達は神殿の一室で待たされる。もはや見飽きた部屋で待っていると、やはり大神官のナターシャが来た。

 彼女は無言で治療に入る。


・君とスターアローの【戦闘力】と【生命力】を最大値まで回復させること。


「まだ命華草ライフグラスは見つからないの?」

 治療が終わるとナターシャは君達に訊いてきた。

「ま、見ての通りさ」

 スターアローは溜息まじりに答える。するとナターシャは君達の顔を覗いながら尋ねる。

「もし諦めるなら、神殿で雇ってあげるけど」


・この誘いを受けて樹海の探索をやめるなら――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076927604586


 まだ挑戦するつもりがあるなら、それを聞いたナターシャは「そう‥‥」と静かに呟き、それ以上は何も言わずに部屋を出ていく。


 神官に出口へと案内されながら、スターアローは尋ねた。

「大神官殿はこんな事を言い出したんだが‥‥」

 それを聞いた神官は君達に告げる。

「雇った冒険者でまだ残っているのが、いよいよあなた達だけになったようでしてね‥‥探索を続けるなら、くれぐれも気を付けてくださいよ」

 そう言って、彼は殿を出る君達を見送った。

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093075665728592

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る