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代金を支払うと、君達は神殿の一室で待たされる。お馴染みになった部屋で待っていると、やはり大神官のナターシャが来た。
彼女は仕方が無いとばかりに小さく溜息をつく。
「いらっしゃい。よほどこの部屋が気に入ったようですね」
「ああ、可愛いお嬢さんにお世話してもらえるからな」
スターアローが減らず口を叩くと、ナターシャは一瞬ぐっと詰まってから、露骨に不機嫌な顔になる。
「あなた達は名のある冒険者との事ですが、腕より口の方がよく動くようですね」
まぁそう言いながらも治療の手際はいつも通りだった。
・君とスターアローの【戦闘力】と【生命力】を最大値まで回復させること。
治療が終わると、ナターシャはそっぽを向いて部屋を出ていった。
神官に出口へと案内されながら、スターアローは吐き捨てる。
「チッ‥‥大神官殿、今日はごきげんナナメであられるようだぜ」
「
案内の神官が言うと、スターアローはますます不貞腐れた。
「はいはい、俺達がウスノロですまないな。こりゃ教団の聖堂騎士達が採りに行った方が早いかもな?」
その言葉に、案内の神官は
「うちからは一人も探索に行っていません。彼らの職務は街や患者の護衛なので。あなた達のような冒険者を雇い、こうして援助し、成功した物に報酬を出すという方針なのです」
「俺達以外にも雇われている奴がいるわけか。愚図愚図していると先をこされるかもしれねぇな」
一転、真剣になるスターアロー。
しかし神官はなぜか歯切れが悪くなる。
「‥‥まぁ、焦りは禁物ですよ」
そう言って神官は神殿を出る君達を見送った。
https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093075665728592
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