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(この項目は136番から来る。他の項目から来たならば元の項目へ戻れ)


 ラファエロは君が装備している古代の額冠を見て、急いで近くの本を手に取った。そして素早くページを捲る。やがて大声をあげた。

「古代魔法王国の一つ・ホームの雷帝ザジン! そ、そんな! これは、同時に見つかるなんて、これは奇跡だ! 運命だ! 天の定めた時代の潮流だ!」


「いいから落ち着いて話してくれ」

 スターアローがそう訴えても、ラファエロは完全に取り乱して首をぶんぶん振る。

「無理です不可能です出来ない事です! いいですか、教えてください、その額冠をどこで見つけ、そこに何がありましたか?」


 気圧されながらも君は古墳の事を伝えた。

 ラファエロの目に狂気じみた光が宿る。

「完璧ですグッドです素晴らしいです! いいですか、よく聞いてください、あなたは古代魔法王国の魔法王が眠る墳墓を見つけたのです。そしてあなたが持ち帰った命華草ライフグラス! ああ、実験になど使ってなるものですか。蘇らせるべき対象が絶対的に有る!」

「まさか‥‥その古代の王様を生き返らせるのか? 会った事もない奴を‥‥」

 スターアローが訊くと、ラファエロは踊るかのように地団太を踏む。君には彼が何かの病気にかかったかのよう見えて来た。

「会うのはこれからです! 蘇らせてその知識に触れるのです! いいですか、古代魔法王国時代、その技術は今と天地の差‥‥当時の魔術師達から見れば、今の魔法など猿の喚き声同然なんです。神々が直に与えた技を、当時の達人たちは身に着けていたのです。大地は空に飛び水は天へ流れ、人々はどこまでも昇る事ができました――」

「上へ飛んでばかりだな」

 少し呆れるスターアロー。頷く君。


「魔法で鍛えられた剣は大地を割り、槍は天を裂きました。魔法の前に竜は頭を垂れ、魔神は膝をつき、巨人はひれ伏したのです!」

 力説するラファエロ。

「なんだか迷惑じゃないか?」

 少し懐疑的なスターアロー。頷く君。


「叡智と技術がもたらす楽園! 地上の天国! 万年の理想郷! 魔法王国同士の争いと最大の魔力の激突による暴走で全てが一度消し飛ぶまで、黄金の時代は続いたのです!」

 熱狂するラファエロ。

「今のままでいい気がしてきたぜ」

 少し否定的なスターアロー。頷く君。


「さあ行きましょう、古代の魔法王を蘇らせて、その知識を分け与えてもらうのです。当時を生きていた達人の一人に直接聞けるのですから、今の魔法がどれほど進歩するのかわかりません。今日、時代は新たな幕を開けた!」

 天を仰いで酔いながら叫ぶラファエロ。

「最後まで見届けなきゃいかんな。場合によってはこいつを討とう」

 少しうんざりしているスターアロー。頷く君。


 その日のうちに古墳へ発掘隊が出発した。

 そして――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076673609763

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