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(この項目は131番から来る。他の項目から来たならば元の項目へ戻れ)


「ああ、やっぱり期待通り! さすがは我らの勇者様」

 多少冗談めかして、しかしよく通る奇麗な明るい声があがる。

 君を含め皆が振り向けば、満面の笑みを浮かべるミナ‥‥ミナーヴァがいた。森の中で着ていた鎧と違い、丁寧な造りのドレスを着て。


「ミナ姫、この方と知り合いで?」

 大臣が君とミナーヴァを交互に見ながら尋ねる。

 ミナは小走りで君へ駆け寄り、嬉しそうに見上げた。

「ただの命の恩人、よね」

 そしてちらと二人の兄を横目で見る。

「私も父様もこの人に救われたってわけ。兄様たちが、城の兵士達を動かして、お互いに邪魔して失敗している間にね」


 二人の王子は気色ばんだが、彼らが何か言うより早く、ビイン王が深々と溜息をついた。

「こんな時にまでか。双子だからと差をつけぬよう育てたつもりが裏目に出てしまったようだ。前々から考えていた件を実行するしかあるまい」

 大臣が顔を青くする。彼は王の案を知っていたのだろう。

 その案はすぐに王直々に言い渡された。

「二人とも城を出ろ。お前らは親戚筋に預かってもらう。そこで統治とはどうする物か、手伝って学べ。わしが許すまで帰る事まかりならん」


 王子二人が驚愕の叫びをあげ、家臣達が混乱して慌てふためく。

 その中でミナだけは朗らかに笑っていた。

「家族の甘えが通じない所なら、兄様達もきっと目が覚めるわ」


 何やらお家騒動がおかしな風向きになってきた。

 君は約束された報酬の話をするため、こっそりと大臣に近づこうとした。が‥‥ミナが君と強引に腕を組む。

「さあ、祝賀会の準備をしなくちゃね。父様の完治と、あなたの業績を讃えるための」


・君(主人公)が男性なら――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076650507299


・君(主人公)が女性なら――

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076650550076

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