第9話 あ、鳩……
この2つの強烈なコントラストが、今に響く往時の余韻となって、我々に何かメッセージを伝えているような気がしてなりません。ぼくはその余韻を、現れた極楽浄土への波動を、このカメラで写したいんです」
志那乃「ふうん、そうどすか。なんやらわかるような気もしますなあ」
向一「ほんとですか!?だったら恐悦です!(小声で)あなたのような美しい方に……あ、あの、失礼ですが……あなたはなぜ、ここへ?お1人で……」
志那乃「……?」
向一「で、ですからあの、つまり……あなたのようなお綺麗な方が、たった1人で参拝に来るなんて……その」
志那乃「(合点したとばかり肯いて、また向一の初心さ加減を楽しむように)うちも友達おらへんさかい?(軽笑)……そうどすなあ、もしかしたらうちも、昔の人達と同じように、罪滅ぼしと、お清めに来たのかも知れまへん……(上空を指差して)あ、鳩……」
空に回遊して来た鳩の群れ。
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