禁を冒した

誰もいない居ない家で莉愛は

布団に顔を被せうずくまりる形で聞こえない声で泣いていた。


赤のフワフワフード付きの服を着て顔を隠し、ベッド上でボソボソと体育座りをしていた。


午後12時を過ぎた頃くらいだろうか。

チャイムの音がなった。

私は初めて居留守を使った。

しかし、バカンと激しい爆発音が響いた。

おい、莉愛だな。

私はフードから泣き顔を覗かせた。

複数人の黒い服を着た男の人がそこにいた。


貴様を逮捕する。

え!

言葉の意味が分からなかった。


小さい街の小さいネットワークにいる私にとって、それは大きすぎるものだったのかもしれない。許容量を超えてしまったのかもしれない。本来するべきことじゃなかったのかもしれない。


何。私がなんかした。

なんで…私には私の世界が与えられないの。

誰かを守ろうとすることが悪なの。


どうしてこんなことをしたんですか。

私は記者会見を受けていた。


ごめんな…さい。

答えてください。


生きて…欲しかったんです。

皆、生きてて欲しかったんです。


何で逃げたの。

怖かったんです。


批判の目が一点に降り注ぎ頭がクラクラしてきた。目の前が真っ白くなり何も考えられないほどに。

すいません、すいません。

その言葉を何度も連呼した。


判決

パラガス島送り。






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