禁を冒した
誰もいない居ない家で莉愛は
布団に顔を被せうずくまりる形で聞こえない声で泣いていた。
赤のフワフワフード付きの服を着て顔を隠し、ベッド上でボソボソと体育座りをしていた。
午後12時を過ぎた頃くらいだろうか。
チャイムの音がなった。
私は初めて居留守を使った。
しかし、バカンと激しい爆発音が響いた。
おい、莉愛だな。
私はフードから泣き顔を覗かせた。
複数人の黒い服を着た男の人がそこにいた。
貴様を逮捕する。
え!
言葉の意味が分からなかった。
小さい街の小さいネットワークにいる私にとって、それは大きすぎるものだったのかもしれない。許容量を超えてしまったのかもしれない。本来するべきことじゃなかったのかもしれない。
何。私がなんかした。
なんで…私には私の世界が与えられないの。
誰かを守ろうとすることが悪なの。
どうしてこんなことをしたんですか。
私は記者会見を受けていた。
ごめんな…さい。
答えてください。
生きて…欲しかったんです。
皆、生きてて欲しかったんです。
何で逃げたの。
怖かったんです。
批判の目が一点に降り注ぎ頭がクラクラしてきた。目の前が真っ白くなり何も考えられないほどに。
すいません、すいません。
その言葉を何度も連呼した。
判決
…
パラガス島送り。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます