転校生も非王道2.

「腹黒副会長演じてるって事は凪も腐男子??」


「そーそー腐男子、BLウオッチングする為に入学したら副会長に任命された」


「それはよく小説に出てくる抱かれたい抱きたいランキング??」


「そう。俺お前みたいな小柄でも可愛くもないのに何故か抱きたいランキング1位。だから副会長なら腹黒敬語キャラだなっと思って」


「うけるわ、凪総受けフラグたってそう」


「おい、俺で妄想すんのやめろ腐男子」


「自分も腐男子じゃん」



初対面なのに腐男子同士なんだかんだで話が合ってしまい、拓実から電話がかかってくる頃には2時間くらい経過していた。

自分の仕事を思い出し、急いで夏目を理事長室まで送り、報告をする為に一度生徒会室へと向かう。



「すいません、遅くなりました」


「「ナギナギやっと帰ってきたー!」」


「おせぇ…凪、お前2時間も転校生と何してたんだよ」


「少し世間話を」



生徒会室に入った途端、双子に抱きつかれ、拓実にはめっちゃ睨まれた。

え、俺何か悪いことした?



「凪ちゃんが襲われてないか心配だったんだよ~ねぇ拓実?」


「うっせぇぞ優」


「拓実は素直じゃないな~」


「えっと…ご心配おかけしました?」



ここはとりあえず謝っておいた方がいいんだよな?俺が無意識に拓実怒らせちまったみたいだし。

拓実に嫌われたら悲しい。



「で、どうだったんだ?」


「どうとは?」


「転校生だ。凪が初対面の人間と話し込むなんてめずらしいじゃねーかよ」


「失礼ですね、気が合う方なら何時間でも話しますよ」



気が合うというか共通の趣味なら何時間でも語れるな。推し作家さん教えあったり、どのカップリングが好きとか?

性格偽らずに話せるから楽ってのもあるか。とにかく夏目とは挨拶時は色々とあったがこの短時間でだいぶ仲良くなった気がするわ。クラスも同じだったし、俺が教室にいる時は腐を語りに行こう。



「そんなにそいつの事が気に入ったのか?」


「そうですね(BLについて語れるしな)」


「ナギナギが気に入るのめずらしいねー!」


「ナギナギいつも壁作るから」


「え、そうですか?」



俺無意識に人に心の壁作ってたのか?陽太に言われるまで全然気づけなかったわ。ごめんな皆。



「凪ちゃんがそんなに気に入るならその転校生見てみたいな~」


「「確かに!会長も気になるよねー?」」


「そうだな、今日の昼は食堂で食べるか。噂の転校生とやらを見に」


「「「賛成!!」」」



なんだか俺の知らないうちに話が勝手に進んでいってるがこれは王道でいう食堂イベントでは!?


え、待って、それって会長×転校生のキスシーンがあるじゃん。

拓実も王道会長みたいに夏目を気に入って好きになっちゃうんかな…。

食堂行きたくないな…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る