副会長は演技中4.

「ナギナギと優ちゃん仲良いのずるーい」


「僕と奏多もギューってしたい」


「わぁ、双子ちゃん急に抱きついてきたら危ないよ~?」


「ちょっと、苦しいです奏多、陽太」



優と話していると双子が拓実を放り出して俺達に勢いよく抱きついてきた。

小柄なわりに力強く抱きついてくるので少しだけ苦しいぞ双子よ。

あとどっちか分からんが俺の尻をどさくさに紛れて触るのやめれ。変な声出そうになるからほんとにやめれ。ゾワゾワするから!!



「ひやっん」



思わず口を抑えたがておくれだった。俺今めっちゃ喘ぎ声ぽい高い声出た。

ねーどうしよう、誰も何も言わないし俺今絶対顔赤いから俯いて顔隠してるけど恥ずかしすぎてどうすればいいのか分かんねぇー!!

この空気誰かどうにかしてくんないかな!?


俯いたままつっ立っていると、当然バサッと頭に何かが被せられ視界が真っ暗になった。そこからフワッと拓実がよくつけてるムスクの香りがした。



「凪、ちょっとこっちこい」



視界が暗闇の中急に手首を掴まれ、え?っと思った時には拓実に手を引っ張られていた。

俺は拓実に引きずられるように歩き出した。



「仮眠室使うから誰も入ってくるなよ?」


「「「いぇっさ」」」


「ま、待ってください拓実、何故仮眠室へ…?」


「ナギナギーファイティン!」


「ナギナギなら大丈夫」


「応援してるよ~」


「さっきから何を言ってるんですか貴方達は」


「ほら、行くぞ凪」



待って、俺なんで双子と優に応援されてるの?しかも俺今から拓実と仮眠室で2人っきりって事!?さっきの恥ずかしかった出来事秒で忘れそうになるほど今プチパニックなんだが!?


ガチャっと鍵が閉められ、視界がクリアになると頭に被っていたのが拓実のブレザーだと気づく。

俺が醜態を晒さないようにきっとブレザーで顔隠してくれたんだなありがたい。拓実なりの気遣いが心に染みた。

手首を掴まれたまま、拓実は俺と向き合い何故か2人で仮眠室のベットに腰かけた。


…これはどういう状況なのだろうか?誰か説明して?

拓実との距離が近いです。



「もう顔の赤みはひいたか?」


「あ、はい…お騒がせしました」


「ったくあの双子は…。にしても凪、お前敏感すぎね?あと優と距離近い」


「そ、そんな事いわれましても…」



ベッドが軋む音に驚いた俺は拓実から距離をとろうとしたが手首を掴まれている為できなかった。


拓実が俺の顎を軽く指でくいっと持ち上げてきたんだが、これがあの漫画でよく見る顎クイってやつ!?


ちょ、まって気づいたら拓実の顔が近い!キスできる距離!神様、好きな人の唇にキスしていいってことですか??


拓実との距離が近すぎて思考がおかしくなっている俺にさらに拓実が近づいてくる。

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