#05 幼児の心が分からない①

※前回に引き続き、この内容は猫丸の自伝小説『あの音が響く先で』の内容を含みます。

※ネタバレ注意

※短時間で急いで書いたので、少し文の乱れが激しいかもしれませんが、ご了承ください…



いつも読んでくださる読者様、『あの音』絡みの話ばかりで、なんかすみません…

















最近、というか前々から、猫丸は疑問に思っていることがある。


幼児の心についてだ。



昨年の9月、猫丸はカクヨム上に『あの音が響く先で 前奏』を投稿した。


多分読んで下さっている方は内容をご存知だと思うので、あらすじ説明は省きますが、


話の中で、『七歳の幼児が、会ったばかりの十五歳の中学生にめちゃくちゃ懐く』というシーンがある。


そこで中学生は、幼児に『自分の大切な夢』を託して、幼児はそれを喜んで了承する、という流れになる。


そして何年か過ぎて、その幼児は中学生となり思春期を迎えてからも、その中学生のことをはっきりと覚えていて、なんならその中学生に言われたことを人生の糧として生きている。


上記の流れは、『あの音』の大きな軸であり、なんならこの場面がなかったらこの物語は始まっていない。


それを踏まえた上で、猫丸はふと考えた。



……これ実際、現実であり得るのだろうか。



大前提として『個人差』はあるのだが、大抵の人間、小さい頃の記憶ってあまり覚えていないものだろう。


そりゃ、楽しかったり強烈だったりした出来事をいつくかは思い出せるだろうが、そのとき誰にどんな事を言われたとかって、そこまで詳しく覚えているものなのだろうか。


話の中で、この幼児が中学生に接したのは、たったの『一日』である。それも丸一日ではなく、一時間ちょっとくらい。 


これ、中学生側としては、


「んまぁ、この子が今私が言ったことを、何年経っても覚えてるはずないし、『思い出』程度にしか残んないだろうけど、でも『もしも』よ?もしも奇跡的にこの子の気持ちが変わってなかったら、それはそれでめちゃくちゃラッキー(自分は夢を代わりに叶えてもらえる、幼児は夢を代わりに叶えたことで友達ができて、楽しく学校生活を送れる可能性が上がる)だし、お互いWinwinじゃね?物は試しよ』


的な感じで考えた後に、その幼児に夢を託しているので、(その中学生の性格も踏まえると)そこまで変でもないのだが、問題は幼児側の方にある。


愛情に飢えていた幼児が、優しくしてくれた中学生に懐き、その中学生の頼みを(一旦は)本気にしてちゃんと受け入れる、までなら、そこそこ現実的な気がするのだが、


幼児側が何年経ってもその中学生の頼みをずっと覚えていて、しかもその出来事を軸として人生を送ってるって、ちょっと珍しいというか、あまり聞かない話というか、現実的ではない気がする。


 その幼児は状況が状況なので、それを踏まえると読者様にはギリ納得してもらえるような気はするのだが、やっぱり作者的には一番引っかかるところだった。


そもそもとして、『あの音』の初期設定だと、元々この幼児(主人公)と中学生は『家は違うけどたまに会う従姉妹』という関係性だった。


だから主人公が中学生に接する時間も日数も長くなって、その分だけお互いに愛着も湧くし、それならば上記の流れも、そこまで異質な話にはならない(気がする)。


だけどその設定を変えたのは、とある理由があった。


作中で主人公が


『わたしはあのとき、ただの観客だった。それなのに、あなたはわたしを自分の夢の後継者に選んだ。その理由は分からない。分からないけど、でも、あなたはわたしのすべてになってしまった(最終話より)』


と、回想をするシーンがある。


作者はこうも思っていた。(以下↓)


「中学生が幼児に自分の夢を託す、ってあんまり聞かない話だし、それでこの幼児が実際にこの中学生の夢を代わりに叶えようとするなんて、マジで滅多にない話のような気がするけど、でもそういうのってなんか、よなぁ。


全くの他人同士、たまたま出会っただけ、接した時間もほんのちょっとで、普通なら一年後、遅くても数年後には忘れちゃいそうな出来事だけど、でもこの幼児はちゃんと覚えていて(それだけ心に刺さった)、それが生きる糧になった。

たまたまの『偶然』の重なりで、ひとりの人間の運命(人生)が大きく変わった。

なんか、『人の心とは、いかにして不思議なものである』的な意味合いが出せてエモいし、物語的にもいいんじゃね?」


しかしこれが『従姉妹』という関係性になってしまうと、なんだか、主人公二人の関係性が至って『必然的』になってしまう気がしたのだ。 

(『あぁまぁ、可愛がってる従妹のことは、ちょっとは特別な存在として見てるだろうし、自分の夢を託すのも、従妹側がそれを本気で受け止めるのも、まぁあり得そうやなって感じ。従姉妹同士ならね』的な…)


それだと確かに『現実味』はあって、その分だけ共感もして貰いやすくなる(気がする)のだが、読者が話に求める『エモーショナル要素』がちょっと足りてない気がした。


作者的には、読者さんには、『うわっ、なんかこの二人の関係性、めちゃくちゃエモいなぁ』と思って欲しかったのだ。


なので、作者の(ちょっと痛めな)意図によって、主人公二人の関係性は変更され、全く『無関係』だったの人物同士になった。


だがその改変で『現実らしさ』は結構犠牲になった。



まぁそもそも、なんでそこまで作者が『現実味』にこだわるのかというと、この話のジャンルが『現代ドラマ』であるからだ。


これがファンタジー物語だとか、ちょっと非現実的な要素を含みまくった作品なら、別にそこにこだわる必要はあまりないのだけど(勿論、ファンタジー作品=リアルな人間の心の動きを描写してない、という意味ではないです)、


『あの音』は魔法もチート能力も何も無い、人と人との繋がりを描いた「現実に生きる私たちでもちゃんと体験できる物語」である(言ってること分かるかな…)。


だからこの物語は、ちゃんと読者さんが現実に当てはめれる(共感できる)『リアル』な作品にしたいし、それが元々の方針でもある。



(すみません、もう深夜なので、続きはまた明日出します…




皆様のご意見お待ちしております。

世間知らずな作者をお助けください…


もしも、『この主人公二人みたいな関係性、実際に見たことある(もしくは体験した)よ!』という方がいらっしゃいましたら、教えて欲しいです…)

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