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先生に直接聞きたかった。

その方が踏ん切りがついたような気がした。

まだもどかしい気持ちが残っている。


ピアニストは先生より少し年が上だろうか。

落ち着いた感じの人だった。

ライブ中は彼氏だと思ってみてなかったが、今思い返すと、

先生がピアノに委ねている感じが、そうだったのかと腑に落ちるところがある。

MCでは、先生だけがしゃべり彼氏がしゃべることはなかった。

だからふたりの関係については何も感じていなかった。


先生に対する思いが強かったが故に立ち直れないんじゃないかってぐらい落ち込んだ。

あの彼氏を押しのけてという気持ちにはならなかった。

一方でレッスンは辞めてしまおうとも思わなかった。


いつもの自分ならこういう時はやけになって辞めてしまうだろうに、レッスンは続けようと思った。

自分で自分がよくわからなかった。


ともかく明日は来るわけだし、先生に会えなくなるわけでもない。


次のレッスンまで調子は上がらなかったが、どうにか生活した。


サブローにはすぐ気が付かれた。

もしかしたらあこちゃんから聞いていたかもしれないが、心配になって飲みに誘ってくれた。

ただ飲む気にはなれず断った。それが却ってサブローを心配させた。


またレッスンになって先生に会えば気持ちが整理出来るだろうと思った。

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