52

二次会には先生は来ないんじゃないかと心配だった。

店を出る段になってあこが近寄ってきて行くよね?と肘でつつかれた。

うんとうなずく。

先生は来るのか聞こうとしたら、

ちょうどやってきた先生の腕をあこちゃんが引っ張って、さま行きましょう!と言った。

先生も乗る気でもう一方の手を突き上げた。

ちょっと酔っているようだ。

赤味を帯びた顔が可愛らしかった。


ぞろぞろと二次会組が店を出て歩き出す。

あこと先生を除いて8人しかいない。

これはチャンスだ。

おじいさんは私はこれでと言って帰っていった。


店は決めてあるわけではなく、歩きながら店を探した。

飲み屋街だから店はいくらでもある。

ひとりこのあたりに詳しいらしいおじさんがここがいいよと言って

中を確認しにいった。

入れます!と言ってみんな中に入る。

8人掛けと思われるテーブルに10人が詰めて座る。

先生は斜め前になった。

おじさんが注文を取りまとめる。

ひと段落して、あこが俺を紹介した。


どうやら二次会メンバーもほぼ決まっているらしい感じだ。

あの美人の子も居た。

あと若い男性がひとり、そのほかは女性たちだ。

男3人、女7人か。

美人の子は若い男性の隣で、仲がいいようだ。いや、もしかたら付き合ってるのか。

女性のひとりは、さっき質問攻めをしてきたおばさんだ。

あこの紹介を引き取ってさっき聞いたことをみんなに披露してる。

俺は自分でしゃべることなく一通りの自己紹介が終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る