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少しでも気晴らしがしたくて、会社に行くときは青田や成島と話すようにした。
どちらも話好きではないが気楽に話せるからだ。
「今日はめちゃ暑いな」
「35度超えるそうです。」
「そうか。真夏だな。」
「いいえ、まだ夏になったばかりです。」
「そうだな。まだ6月だしな。」「暑いのは好きか?」
「得意ではありません。」
「冬の方が好きか。」
「冬も得意ではありません。」
「じゃあ得意は春か秋か。」
鼻で息をしている。
「得意はありません。」
おかしなやつだ。
「成島、森山先輩とはうまくやっているか?」
皮肉な笑い顔をしている。
「うまくやらなきゃだめだぞ。」
まだ笑ってる。
「まじめないい先輩だろ。」
笑いが取れない。
「大好きじゃなさそうだな。」
次の日、養田さんとも話をする。
「今年も暑くなりそうですね。」
「そうだなあ。暑いのは苦手だね。」
「そうですかあ。私は暑いのは好きです。寒いのが苦手です。」
「そうかあ。寒いのも苦手だな。」と笑う。
森山さんとも話す。
「成島はいい後輩だろ。」
「そうでしょうか。」
「不満があるんだったらなんでも話してください。」
「不満はありません。」
「そうですか。まあうまくやってください。」
ぶすっとした顔をしている。
今度サブローと飲みにでも誘おうか。飲めば色々吐き出せるだろう。
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