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結論は出なかった。
また日曜がやってくる。
この病に薬はないものだと自覚した。
何もしない、それでいいと思い始めた。
何かしないと居られない俺の性格には苦渋の結論だ。
それで何かが起こるか、それを見ていくしかない。
こんな受け身な気持ちになったことは初めてだった。
次のレッスンも前回と変わらず、苦しかった。
今回も細かい花柄のワンピースを着ている。
先週も同じ服を着たことを忘れてしまったのだろうか。
目の下のほくろは魅力的だと思った。
今日も指輪はしていない。
ネックレスもしていない。
ピアスは、前回と違っていた。
くつはよく見えなかったが黒色だ。
この間ささっと書いた楽譜は難しかった。
何度もやり直してうまくいくようになった。
みんな笑顔になった。
次の楽譜が渡された。
また音符がいっぱい並んでる。
アプリに打ち込むのがめんどくさそうだった。
別れの挨拶をする時、ぎゅっと胸が苦しんだ。
外に出るとまた言い知れぬ解放感があった。
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