19

青田たちが戻ってきた。上気した顔をしている。

打合せに成果でもあったのだろう。

今度は養田さんと青田そして森山さんがチームになる。

青田はえらくはりきっている。顔には出さないが。


「経理と飲み会をする計画をしてるんだけど青田も来るだろう?」

顔をこっちにきっと向けて考えている。

「目的は何か教えていただけますか。」

会議の続きのような話し方だ。

「頂けますかって、飲み会だよ。目的は飲み会だよ。」

びっくりしたような顔をする。

「飲み会が目的ですか。」

「そうだよ。来るだろ?」

頭の中がショートしたようだ。

しょうがない青田のために目的を考えてやろう。

「社内交流だよ。仕事を円滑にするためだよ。」

「素晴らしい目的ですが、」

「ですが?」

「私には必要ないように思われます。」

めんどくさいやつだなあ。


「青田はもう経理と交流してるのか?」

「いえそうではありません。」

まあ仕方ない。

「じゃあまた声かけるよ。」

「失礼いたしました。」

ふー。


さて、森山さんも誘ってみるか。

森山さんの方を見る。

聞いてないふりをしている。

ノリが悪いなあ。


こういう時はあこちゃんに限る。

順番を間違えたか。

定時後にあこちゃんのところに行ったが、

今日は出社していなかった。

とりあえずお預けだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る