第5話【誰かを守る意志】
〖助けて救われて〗
その後、けいぶんは死神を倒し、零倶楽部と玄武、青龍を連れてボルト達の場所に向かう。奥の方では大爆発が起こっており、けいぶんは一層速く走ってビルを飛び越えて行く。
「けいぶん!ちょっと速い!?」
ドォォォォォォンッッ!!
近くのビルが爆発し、けいぶんの足場は無くなって地にうまく着地する。
するとやはり特攻隊と食料組は白虎&朱雀と闘っており、誤解を皆に伝える為に叫ぶように皆に伝える。
「聞いてくれ!!そいつらは敵じゃない!!!」
「何だと!?」
ボルトは振り向きけいぶんの存在に気付いた上で戦闘の手を止める。
「そいつら(白虎&朱雀)は操られてる!!相手は光学迷彩を使って透明になってる!首元を狙ってくれ!!」
すると、ボルトの他の皆も頷き、ボルトは大鎌を投げ捨て、「光学迷彩って何だよ!!!」と言いながら手を使い、首元にある透明な何かを掴み、そのまま千切るように切り離す。そして気を失い、倒れかけた朱雀をブラパが支える。すると、透明が解けて首輪だと気付いてボルトははむにも伝える。はむも同じく首輪を掴んで握力で握り潰し、白虎を支える。
『オオッ…』
けいぶん達が闘った時とやはり同じく、死神が現れて空かさずベッドロックとさかな、やるっきーが武器を構え、突撃する。その姿をビルの屋上から見ては頭を擦るあの時の男。
「このままだとまずいですね…これを使ってみますか…」
するとポケットから赤く光る札が貼ってある水晶を取り出し、もう片方の手で念を込める。
「『闇から生まれ堕ちた光よ、再び漆黒の闇へと染まり上げろ』!!」
すると水晶に罅が入り、黒く濁る。そして水晶を死神へと投げる。コツンッ…と死神に当たると魔方陣のようなものが死神の周りをぐるぐると回り吸い込まれていく。
『オ"オ"オ"唹唹唹唹唹!!!』
「何だ!?」
そして全員の目に映った死神は姿を変え、骨が剥き出しになり顔が増えて、鎖には人間の首が繋がっている。
「…おいおい、進化って訳かよ」
ボルトが動揺しながらも投げ捨てた大鎌を取り、ベッドロックとブラパに朱雀を任せると食料組に伝えた。
「俺はアイツをぶっ飛ばして来る!はむ達はそこのデカブツ倒してくれ」
「わかった!!」
はむはボルトは誰を倒すのかわからなかったがボルトがビルの上を指差すとそこには骸骨のマスクをした男がいた。すぐに理解してボルトと別れ、はむはさかなとやるっきーに指示を出す。一方でボルトは準備運動をしている。その姿を見て呆れた男は黒い渦に消えようと振り向くとボルトが拳を構えていた。
「何ッ…!?」
「遅ぇんだよ!!」
メリィッ…ドゴォォォォン!!
鈍い音と共にボルトの拳が男の顔面に直撃し、そのまま吹き飛ばして隣のビルにめり込む。
パラッ…
瓦礫を退けて男が服の汚れを落としながら落ち着きある声でボルトに話しかける。
「バレていたんですね。貴方が鋭いのは何となく察していましたが…」
「答えろ、お前らの企みは何だ?さっきの奴に一体何をしたんだ」
そして男は立ち上がりボルトを見上げては笑みを見せてお辞儀をした。その行動に違和感を覚えるボルト。
「ほぅ、まさか破壊神様が居たとは!通りで素晴らしい気配がしたわけですね」
その一言で気付いた。この男は破壊神を知っている。その言葉に驚き、ボルトは聞き返す。
「お前、破壊神を知って…!?」
ブンッ…!!
男に気を取られていると後ろから他の同じ服装の男に投げ技を喰らい、他のビルに着地する。ボルトは拳を握り締めて構えると同時にボルトを引き留める男。
「まぁまぁそう急がずともすぐに相手しますよ」
そう言って二人の男は黒い渦に入っていった。奴らを逃がしてしまい、ボルトは自分がまだ弱いと感じ顔を手で覆った。一方で食料組一同は凶暴化した死神に苦戦していた。
「さっさとこっちはゲームしたいんだよ。行くぞぎょっちゃん!!」
はむはさかなと協力し、死神に突撃すると同時に武器の形が変わり電磁波を放っていた。そして、飛び上がって死神に一撃を喰らわせる。
「『神術 グラビティハンマー』!!」
「『神術 水響の陣』!!」
すると雫が落ちる音と共に地面から勢いよく潮吹きのように水が吹き出しその威力で死神は弱まる。そこにはむがハンマーを振り上げ、地面を叩くと、地響きと共に死神は潰れて消えていった。
その後、無事、『幻影の領域』は解けて気が付けば人々が戻り、夜景は輝きを取り戻していた。皆に安心が戻ると家に帰り、四大神獣を手当てする。そしてけいぶんは創造主の頼み事を話すと納得しその日は全員眠りについたのだった。
〖まだまだ終わらぬ漆黒の夢〗
ー???ー
冥界と地獄の狭間『アルケー』(万物の根源)では王座に座る神にあのドクロマスクをした男達が跪いていた。
「申し訳ありません!もう少しだけ彼らの情報を集めても宜しいでしょうか?」
その男の質問に王座に座る神が持っていたリンゴを齧りながら答えた。
「仕方ない、有余をくれてやる。もっと器の良い者を探すんだぞ」
「「わかりました。では、失礼します」」
そう言って二人の男は姿を消す。そして悩み顔をする神。
「創造主、そして破壊神…お前らの力は私が使うべきなのだ」
ー同時刻 渋谷ー
何やらビルの上で蹲り、赤子のように泣くような声が暗い夜に響き渡ったのだった…
次回 【混沌の朧月編】開幕…
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