第4話【俺達の生き様】
〖生か死か、それとも無か…〗
ー日本橋付近ー
青龍と玄武は瓦礫を退けて現れた。けいぶん達は武器を取り出し、戦闘体勢に入る。だが少しだけ思い当たる所がある。青龍と玄武の首元らへんが歪むように見えている。つまり"視えない"何かがあるということだ。けいぶんはそれを見抜き、全員に動くなと命令を出し、けいぶん自身だけ青龍と玄武に歩み寄る。たくとにサインを試しに送ってみるとわかった?らしくコクりと頷く。そしてけいぶんは刀を引き抜いた。
「青龍と玄武…お前ら操られてないよなぁ?」
その質問は皆の混乱させた。だが、けいぶんは話を続けた。
「お前らの首、空間が歪んでいるように見える。つまりは…」
バチィ…シュゥッッン!!
すると1秒すらかからずけいぶんは青龍と玄武の背後に瞬間的な移動をした。そして刀を鞘にしまいカチンッ…と音を立てた瞬間、バキンッ!と音が首元から聞こえるとジジジッ…と鉄の首輪が斬られ鎖と共に落ちた。すると意識を取り戻したかのように青龍と玄武は混乱していた。どうやら記憶が曖昧らしい…そしてけいぶんの方を見るといきなりしがみついて来た。
「うぉ!?なんだよいきなり…」
けいぶんはふと青龍と玄武の顔を見ると涙目で何かを恐れているような顔つきだった。そんな姿を後ろで見るたくととるるは次の武器製造方法を話し合っていた。まるしぃは何故か不機嫌だった。
「何でけいだけあんな懐かれんのぉ~?」
不満なようだった。その一方でけいぶんは青龍と玄武を落ち着かせた後に話を聞こうと思って手を離した。すると、グンッ…と何かに引っ張られる青龍と玄武。
「「「!!?」」」
皆が驚く。青龍と玄武は宙に浮かんでいる…いや、何かにわし掴みにされている。すると青龍と玄武は血を吐いた。
「青龍!玄武!!」
けいぶんがダッ!と飛び上がり、2人の手を掴もうとしたら何かに弾かれ、ビルに吹き飛ばされる。
たくととるるはまるしぃの前に立ち、スナイパーでたくとが見えない何かを撃つ。すると、ジジジッ…とバグったような音がすると呪いの人形が出現した。締縄が身体中に巻き付いていて顔は半分腐っており赤い札が貼ってある。腕には鎖と青龍と玄武の首に憑いていた首輪が何ヵ所にもぶら下がっていた。
「やっと正体現したな…クソ野郎」
「これは…『光学迷彩』か…」
光学迷彩とは、視覚的に対象を透明化する技術の事である。自然界ではカメレオンやイカ、タコ等の保護色を変える擬態などがみられるが、人間の手による光学迷彩はSF作品等に登場する未来の科学技術なのだ。それをなぜ死神の一種が持っているのか…
すると、るるの前に時計が現れ、それに触ると鐘の音と共に時間が止まる。いや、正確に言えば死神の時間だけが止まっていた。それに驚く青龍と玄武。そして、るるは死神の足元を指差し言葉を放った。
「そこにいるのは知ってるよ」
すると姿を現したのは骸骨の面を被り、黒いスーツを着た2人の男だった。そして1人の男が喋り出す。
「どうも若い神器さん達、我々は解祺輪狂会(かいきりんきょうかい)に入っている者です。我が王"晴祝"(せいしゅう)様の目的の為に…行け、峩絶(がぜつ)」
「オオッ…」
すると、時間が止まっていたはずの死神が動き出す。
その反撃を喰らったのかるるは目や口から血が溢れ、倒れてしまった。
「るる君ッ!?」
まるしぃがるるに駆け寄った。そして、再び青龍と玄武は死神の手から逃れられず締め付けられていた。このままだと死ぬと感じ、けいぶんはたくとより先に突撃する。
「では、頑張ってください…」
そして、2人の男が影に消えていった。
「絶対に助ける!!」
けいぶんが飛び上がり刀を振り上げる。そして、けいぶんの周りがバリバリと音を立て、雷が溢れる。
「『稲光剣術 爆雷斬』!!」
すると刀を振り下ろすのと同時に雷が空から落ちて、死神を両断した。青龍と玄武をけいぶんとたくとがキャッチして見事死神を撃破する。その後、青龍と玄武を下ろして、灰となって消えていく死神を指差してけいぶんは言い放つ。
「神を救うのは俺。邪魔する奴は断つ!
〖強さ故の力と成りて〗
おまけ【けいぶん&まるしぃのまとめ】
〖"ちゃん"付けは嫌いだ〗
ある日の朝方、まだ肌寒い時間にまるしぃが起きて洗面台に向かうとけいぶんが鏡の前で前髪を弄っていた。何をしているのか気になったまるしぃはけいぶんに声を掛けた。
「ねぇ、けい。何してんの?」
するとけいぶんはまだ寝ぼけているらしく目があまり開いておらず、ふらふらしながら振り向いた。
「ん~?あ、まるぅか…おはぁ~」
振り向いたけいぶんはどうやら髪をくしでといていたらしく、くしを髪から放すとぶわッ…!と音が似合うくらいねぐせが爆発し、前髪が目を隠した。それに思わず吹いてしまったまるしぃがからかうように笑った。
「ちょっと、何その髪型www」
「あぁ~もぅ少しでセットできたのにぃ」
けいぶんは怒ってるつもりだが眠いのか表情は全く変わらず頬だけぷくぅと膨れていた。すると、何かを思い出したらしく、まるしぃはけいぶんに言った。
「そうだけい!私ねぇけいじゃなくて"けいちゃん"って呼んでいい?」
その質問を答えるのが面倒だったけいぶんは"お好きにどうぞ'と答え、髪を再び直し始めた。
(ふふ~ん?いいんだぁねぇ)
その後、けいぶんにまるしぃはくっついて来ては"けいちゃん"と呼ぶようになったのでけいぶんはなんであの時いいよなんて言ってしまったんだろうと今更後悔していた。
〖答えはしっかり考えよう〗
②【獣耳が生えちゃった!?】
〖ハプニングは身近に存在する〗
カタカタカタカタ…カチッ…
「う~ん!はぁ、疲れたぁ~」
深夜12時頃、まるしぃは自分の部屋でPCで情報を調べていた。ふと喉が渇きまるしぃはリビングに行き、部屋代の明かりをつけて冷蔵庫の中を覗く。すると缶ジュースが1つだけ置いてあった。だが、その缶ジュースにはラベルが貼ってなかった。
「怪しさ満々だけど…これしかないし大丈夫でしょ」
そう言ってまるしぃは缶ジュースを開けて中身を飲んでみる。すると味は炭酸ジュースに近いが果物という味はしない。そして体が段々と熱くなっていた。不安しかないまるしぃは"やっぱり飲まなきゃ良かった…"と後悔する。すると、階段を下りてくる足音が聞こえる。
(え、誰かまだ起きてたの?丁度いい。これについて聞こう…)
「ヒュ~ヒュ~ヒュ~♪」
段々と近付いて来る足音と口笛が聞こえる。何故だか不本意にキッチンの机下に隠れる。するとその姿はけいぶんだった。
(なんでまだけいは起きてんの?まさかまた、ホラゲーか?)
そう思いつつ、机から出てけいぶんの背に話掛ける。
「ねぇけい、ちょっといい?」
するとけいぶんはびびったのかとっさに振り向いた。すると、けいぶんは驚いた表情と共に咥えていたアイスが床に落ちた。
「ちょっとけい、アイスが床に落ちたよ」
そう言いアイスを拾おうとするまるしぃの手をけいぶんが掴んだ。
「えっ?ちょっと、何…」
「まるぅ…だよな?」
「何言ってんの?私だよ…」
すると、けいぶんはまるしぃの頭に手を伸ばして何かに触る。
「ひゃ!」
みっともない声が漏れ、まるしぃは自分の頭に触れる。そして全てを理解することが出来た。
"ピコッ…ピコピコッ"
それは猫のような耳が頭から生えていた。そして尻尾のようなものも生えているのが視界の端から見えた。
「何これ~?」
まるしぃが自身の獣耳や尻尾をさわさわと撫でたり触ったりしていた。戸惑いながらもけいぶんの顔を見る。けいぶんは口を隠しながら笑い、けいぶんはまるしぃの頭を優しく撫でた。
「ちょ、ちょっと!?やめ…」
ゴロゴロ…
するとまるしぃの喉が鳴り、顔がとても幸せそうでした。その姿を見て、けいぶんの心は締め付けられるような感じがした。
「ぐふぅ!!」
心に矢が刺さったかのような感覚がしたけいぶんは自身の顔を殴って意識を取り戻す。
(くッ…可愛い生物め…)
すると、けいぶんの右手に光の穴が開くと創造主がまるしぃに向けて言いました。
『まるしぃよ。どうやら主はお前のことをかわ…』
パァン!
けいぶんは左手で右手にあった光の穴を塞ぎ、まるしぃに作り笑顔を向けて言った。
「多分、アイツ"るる"ならなんか知ってるよ」
そう言ってけいぶんは二階に駆け上がって行った。
翌日、やはりるるが作った試作品だったらしくまるしぃはるるに効果などを話して元に戻る薬を飲んだのでした。未だにけいぶんの頭の中には獣耳が生えたまるしぃが浮かんでしまうままでした。
〖心に響く君の姿…〗
③【けいの観察日記】
〖親友の日常を記録したい!!〗
どうも、まるしぃです。今日は私の親友であるけいぶんことけいちゃんを観察(監視)してノートにまとめたいと思います!
午前07:30起床
けいぶんは目を擦りながらまるしぃの作った朝ごはんを食べる。するとけいぶんは気になったのか、じっーと見てくるまるしぃに話し掛ける。
「ん?どしたぁ」
「何でも」
「そう…」
午前07:50着替え&身支度
けいぶんは朝食後、歯磨きと顔洗い、髪を整えてパジャマから白いパーカーに着替え、帽子を持って出掛けていった。
(あ、行っちゃった…じゃない!追いかけないと!!)
急いで靴を履くまるしぃの姿をそっと見守るたくと。
午前08:00お出掛け
けいぶんの姿を追いかけると繁華街にやって来た。目の前ではけいぶんが魚屋の女性店員らしき人と楽しくやり取りをしていた。すると、魚屋の女性店員がけいぶんにビニール袋を差し出していた。けいぶんは手を左右に振って遠慮しているように見えたが、結局貰ったらしく他店の店員からも色々貰っていた。
(結構人気なんだ…なんか悔しい)
けいぶんの後ろ姿を見て悔しげにまるしぃは指を噛んだ。
(あれ、また居ないし!?)
悔しがっていたらいつの間にかけいぶんの姿は消えていた。急いで繁華街を走っているとふと、路地に入っていくけいぶんの姿が見えた。その姿をこっそり追いかける。丁度角を曲がる所で止まってちらりと見てみる。すると、けいぶんは座り込んでいる亡霊の隣に座り込んでいた。けいぶんと亡霊の会話を耳を澄まして聞いてみる。
「なんだお前、何があったか俺でいいなら相談乗ってやるよ」
すると中年の亡霊が下を向きながら話始める。
『ボクは…好きなヒトイタ…けど、イエナカッタ。告白前に、病気で…』
そんな亡霊の肩を叩いてけいぶんは優しい笑顔を見せて優しい声で話を続けた。
「そうか…なら、伝えるべきだ」
「えっ?」
亡霊は思わず声が出てしまう。そんな亡霊にけいぶんは手を差しのべて言った。
「俺に憑け、お前を恋人の所に連れて行ってやる」
『…わかった』
そうして、亡霊がけいぶんに取り憑いた後、けいぶんの後をついて行くと約束通り、亡霊の恋人らしき人と話していてその後、恋人と別れけいぶんは家に帰って行った。どうやら亡霊はけいぶんの心境に住んでいるっぽい…
そして、午後06:00自宅のソファでくつろぐけいぶんにまるしぃが近づく。
「ねぇ…」
「ん?どした?」
「やっぱり何でもない」
「?」
そう言ってまるしぃは自分の部屋に入って記録したノートを見返し微笑んだ。
「やっぱり、良いところ…沢山あった。さすが、私の親友だね」
〖親友は誰よりも頼りになる〗
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