第2話【最恐の神 破壊神】
〖誰もが恐れる王の誕生〗
『破壊神』。それを聞いて皆はどう思うだろう?世界を統一した者?力で全てを示す者?いや違う。そんなものではない。もっと邪悪で憎悪の塊、そんな奴が今、目の前にいるのだ…
「アガガ…」
霊は破壊神を恐れていた。そして、霊はブラパを手放すと破壊神の前にひれ伏せた。その姿を見て破壊神は高笑いをした。
「わかっているじゃないか。クックックッ…だがな、俺はそんなに優しくないんだぞ」
「!!?」
その瞬間、霊は微塵切りにされて灰となって消えていった。ブラパとベッドロックはそれを見て、冷汗が頬を流れ落ちた。動かないと死ぬとわかっていても体は全く言うことを聞かずまるで、"金縛り"にでもあっているようだった。
(動け動け動け!!ベドロだけでも逃がす)
「う"あ"あああああ!!!」
バシュゥ!!
ブラパが影閃(ビーム)を出すが、破壊神には当たらず寸前で何かにぶつかり跳ね返った。
「ッ…!!」
「逃げてブラパ!!!地壁"じへき"!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴォォォォ!!!
ベッドロックが地面に触れると地面は波のように高くそびえ立ち、分厚い壁となる。今の内に逃げようと試みるが、衝撃音と共に糸も容易く壁を破壊してブラパ達の前に一瞬で移動してきた。
(終わった……)
ベッドロックが死を悟ったが次の瞬間……
「空壁!!!」"くうへき"
「渦巻き!」"うずまき"
「グラビティソール」
一気に破壊神は見えない壁に閉じ込められ、水が渦巻く中に入りながら重力に押し潰された。
「大丈夫か!?」
「その声は…!」
声の方を見れば食料組のハム、ギョギョギョ、
ヤルッキーがいた。そして、ヤルッキーは即座、破壊神に『封』と書いてある札を貼り付ける。破壊神の体や顔に合った紋章などが消えて普段のボルトが目を覚ました。
「あ、あれ俺は……」
「「「「「よ、良かった…」」」」」
「?」
ボルトはとりあえず元に戻ることに成功した。だが、心境では破壊神がニヤリと何かを考えていた。
(アイツ"ブラックパーカー"の能力。
……実に興味深いな)
現在時刻01:00
特攻隊&食料組合流
ー同時刻、日本橋ー
タッタッタッタッ…
「はぁはぁはぁ…」
日本橋前で立ち止まるマルシィ。ふと後ろを振り返れば縫い目だらけのパーカーを着ていて、右腕はノコギリのような腕をしている霊が紅蓮色の目を不気味に光らせて近付いてくる。
スッ!
マルシィはポケットから様々な札を取り出し戦闘体勢に入った。
(私だって…殺れる!けど怖い…)
「う"ウウウ、ア"ア"ア"ッッ」
マルシィは、至って普通の一般人だ。神の器であるケイブン達とは全く違う。だから『祓い屋』として皆と闘っている。祓い屋は文字通り、霊をありとあらゆる方法で『消滅』『封印』などをする者達のことを指す。だが、欠点がある。
それは"霊が大嫌い"。
「命…刈りタイ」
ジャキイン!!
びっ!
「ひッ!!」
霊はマルシィへと近付き、右腕のノコギリで斬り裂こうとした。間一髪で避けたが、頬を掠れたのか血が少々流れる。マルシィの手に持っていた札は全て斬り裂かれており、もう使えない。
「どうしよ…」
「あはは齒齒齒齒齒齒齒!!!」
ブンッッ!!!
「!?」
確かに目の前にいた人間が居なくなり辺りを
見回す霊。
「どこ見てんだよ。ここだボケェ!!」
「ウウ"ゥ"」
日本橋の上にまるしぃをお姫様のように抱き抱えていたのは煙草を口に咥えていたケイブンであった。
「けいぶん…」
「遅くなった、ごめん」
すると、「早く下ろせ…」と小声でマルシィが言ったので仕方なくケイブンが下ろすと煙草を取られ、ポイと捨てられた。
「あぁぁぁ!!俺の"メンシール"!!!」
「あんたまだ、未成年でしょぅが!
(何で持ってんの)」
#メンシール煙草であり、ケイブンのお気に入り。(未成年は吸えません!!)
しばらく橋の下で唸っていた霊は消え、気が付けばケイブン達の背後にいた。
「音もなく…」
「ウガァ"ァ"ァ"ァ"」
ドドォォォォンッッ!!!
橋は崩れ落ち、けいぶんとまるしぃはギリギリで避けることができた。
「アイツ…多分だけど『幻』。しかも穢れた付喪神っぽいな…」
「うぇ!?あの死亡率100%の!?けいが来なかったら死んでた…」
安堵のため息をつくまるしぃの肩を優しく叩き、けいぶんは笑顔で答える。
「俺、手伝うなんて言ってねぇぞ☆」
「こ、この野郎…」
〖煙草の件は許さん〗
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