第8話 シスター救出

「ミルダ!儂は席を外す後は任せた!」

 ギルドマスターは、受付に居るミルダに声掛けし、私達の後を追い掛けて来た。


「私は奴隷商の場所を知らん、神の話では今はシスター無事と言ってたが救出は急をようすらしい、案内出来るか?」

「奴隷商は知って居るが・・・神が言ってた?」

「説明は奴隷商でシスターを救出した後!」


「・・・こっちじゃ」


 奴隷商は、知らないと素通りしそうな普通の建物だった。

「いらっしゃいませ、本日は折角のご来店では有りますが・・・おっ?冒険者ギルドマスター様?」

「通してもらう!邪魔立て無用」

 ギルマスは、止めようとする奴隷商の受付を押し退けて店内に入った、私とレンも後を追って店内に押し入った。


「おや、ヘンピ町の代官様?意外な所でお会いしますな!」

「・・・ギルドマスター殿こそこんな所へ来られる事があるのですか?」

「ママ、こいつわるもの!しんばつおとす!」

「レン?ヘンピ町の代官らしいぞ!神罰必要な悪人か?」

「しすたーほしくて、ごろすにめいれいした」

「ん?シスターかどわかしの下手人か?」


「女!!代官様に無礼で有ろう!!」

 話の成り行きをみていた代官の付き人が、居丈高いけだかに言った。

「私と娘は神の代行者!神に代わって神罰を落とすよう、創造神に言い使って居る!腰巾着は黙っておれ!!」


「何をたわけた事を、神の代行者?神の名をかたるとは、神罰を恐れぬ愚か者!!」

「代官!悪事の報いを受けろ!レン!奥義!!」

「かみのぅしんぱん!!」

 レンの言葉に虚空からいかずちが降って来た。


 雷は、代官と付き人2人それに奴隷商人に降り注いだ。

 悪人4人はブスブス煙を出している、ただのしかばねのようだ。


「そこの使用人!神殿のシスターが居るはず!案内せよ!」

「シスターは神像を紛失させた罪で奴隷落ちして居ます、当店は違法な行為は行って居りません」


「神像紛失も、そこの代官がゴロスに命じ盗ませた事は、創造神から神託を受けた!黙って案内せよ!お前も神罰を受けるか?」


 神罰をその目で見ていた使用人は、従順に案内した。

 高圧的な言動は結構気持ちが良い、諸々のストレスが解消されるようだ。



 案内された所は、奴隷商最奥で厳重に施錠された部屋があった。

「開けなさい!」

 こう言う男には、高圧的に命令するに限る、素直に扉を開けた。

 中に入ると、10人のうら若き美女が居た。

「シスターは居ますか?」

「私がシスターメイリアです、セレン様レン様創造神様から『安心して待って居れば、儂の代行者セレンとレンが救出に来る』と神託を受けました」


「他の娘は?」

「私と同じです、濡れ衣着せられて奴隷にされた娘達です」

 レンが見詰めて居る。

「あなたとあなたあくにん、でてはだめ!」

「そこの二人レンの目は誤魔化せんぞ」


「セレン様?その方達は良い人ですよ?」

「そのひとたち、だいかんのまわしもの、あくにん」

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