第4話 ギルドランク審査
「登録は問題ないですが、Fランクは・・・現在Bランク審査官しか居りません」
「娘も私もそのBランク審査官で良いです!審査を希望します」
レンのGランクカードが出来上がり、私のDランクカードと共に受付嬢に預け、受験料Cランクが金貨1枚Fランクが銀貨2枚支払い試験会場に案内された。
滅多に無い見物、ギルドにいた冒険者がゾロゾロ着いて来た。
試験会場で勝手が分からんだろうと、レンに手解きした。
「良いか?この木剣で攻撃して来るのを、全て避ければFランクは合格する、ママが攻撃するから避けて見ろ!」
「うん、ママわかった」
最初はユックリ徐々に速く攻撃したが、レンは全て回避した。
「良いぞ!その調子で逃げれば合格する」
「うん、ママごうかくする!」
厳つくてゴツい筋肉ダルマが試験会場にやって来た。
私と娘を威圧するようにギロリと睨んだ。
「儂がBランク審査官のゴロスだ!CランクとFランクどちらから審査する?」
「私のCランク審査して自信を無くす前に、娘のFランク審査してもらおうか」
「セレンとか言ったか?随分な自信だな!お前を叩き潰す前の肩慣らし、幼い嬢ちゃん恨むなら母ちゃんを恨め!」
レンの審査が始まった。
巨大な木剣を構えた巨漢ゴロス審査官と、ナイフの様な短い木剣を構えたレンが相対すると、見物する冒険者達には審査は無謀としか見えなかった。
審判はギルドマスターが勤めてくれるそうだ。
ギルマスの「始め」の声で、ゴロスが木剣を振り切った。
見物人から悲鳴が上がった。
木剣でも、あの勢いで当たると、小さなレンは無事では済まない、そんな殺す勢いの一撃だった。
そんな一撃をレンは涼しい顔で避けていた。
姑息にも逃げきれないよう、ゴロスは横殴りに木剣を振った。
レンは低く
そんなふうに、危なげ無く審判の「止め」がかかるまでレンは逃げきった。
「レンのFランク合格を認める!」
ギルマスの宣言で、観客冒険者から歓声が上がった。
「凄い!感心した!良いぞ!チビっ娘!!」「レンちゃん!すげぇぞ!」「レン、良くやった!!」「レンちゃん惚れた!!」「お巡りさん!こいつです」
歓声の中、変な声援が一部あった。
「次はセレンCランク審査で良いか?」
「ギルマス、その前に回復魔法の使い手は居るか?」
「そこに控えて居るミルダが回復魔法を使える」
受付嬢は回復魔法使いだったのか。
「では安心だな、ギルマスも見ていただろう、ゴロスは娘を殺す勢い、殺気が駄々漏れだった、審査官として不適格!あんな奴許す訳には行かん、殺しはせんが大怪我させて引退させる」
「女!命は要らんようだな!そこまで挑発するなら、さぞ腕に自信があるのだな?かかって来い!!」
とか言ってるゴロスは、荒い息をしてる。
娘の審査程度でこのざまは、日頃怠惰な生活で運動不足なようだ。
「Cランク審査、始め!!」
力任せの攻撃、私の頭をカチ割る勢いだ。
「せいっ!!」
打ち降ろしたゴロスの木剣を、私は上から叩いた。
ゴロスは簡単に木剣を手から離した、カラカラ音をたて木剣が転がって行った。
すかさず、ゴロスの首を木剣で打ち据えた。
首の骨が砕け、ゴロスは瀕死状態だったが、ミルダが駆け寄り回復魔法を放った。
Bランク審査官のゴロスが一瞬で倒された、信じられない結果に会場内は、水を打ったような静寂が支配した。
静寂を打ち破る「セレン冒険者、Cランク審査合格!!」ギルマスの声だけ会場に響き渡った。
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