ベイビーと意外な告白と食事
SE:ドア音
店長
「じゃじゃ〜ん、ここがレストラン風の部屋よ」
同期
「へぇ〜、小さいですけど本当に飲食店みたいな部屋なんですね」
先輩
「あら〜、思ってたのと違った?」
同期
「お、思ってたのって・・・・・・いえ、でももっとホテルみたいな部屋なのかなって」
店長
「うんうん、もちろんそのタイプが1番多いわよ。でも、うちの売りは細かなニーズに対応した部屋が多いことなのよね。この部屋もその一つだし、例えば、和室風にスポーツジム風、四畳半部屋風、学校の教室風、もちろん制服は持ち込み可だしレンタル可ね。それからに女子更衣室風、ああ、体育館倉庫風ってのもあるわよ」
同期
「うぇぇ……なんか学校が多いですけど男の人ってそんなのを求めるんですか……ひどい」
先輩
「マキちゃん、それは男性に失礼よ。というか店長が自分のニーズに自分で答えてるだけだし」
後輩
「そうなんすか?」
先輩
「そうよ、所詮は青春を味わえなかった悲しい化け物なんだから」
店長
「もう、ミキちゃん!!」
先輩
「事実でしょ」
店長
「いいじゃない! 全員下校して2人きりになった放課後の教室! 更衣室でみんなが着替えている中、密着して入るロッカー! 閉じ込められて独特な匂いを放つマットの上で一夜を明かす体育館倉庫!!」
先輩
「よく見ておきなさい。アレが本当に可哀想な化け物よ」
同期
「間違い方が凄い」所々知識はある
後輩
「よくわかんなかったっす。『体育館倉庫でお泊まり』は楽しそうっすね」知識がない
赤ちゃん
「あう?」理解力がない
店長
「う〜、とにかく今この部屋はレストランだから席についちゃって!!」
先輩
「ええ、そうね。でも私とハナちゃんは出るわよ」
同期
「えっ、そうなんですか?」
先輩
「私たちまで一緒に食事してたら会社の飲み会みたいでしょ」
同期
「確かに……分かりました。頑張ります」
後輩
「マキ先輩、カケル先輩のことよろしくっす!!」
先輩
「そういえば、ハナちゃんってカケル君を元に戻すことには反対しないのね」
後輩
「どういうことっすか?」
先輩
「だってあなた、赤ちゃんのカケル君が大好きでしょ。でも、元に戻ったら赤ちゃんのカケル君はいなくなるのよ?」
赤ちゃん
「あうう?」
同期
「ここまで来てそれは……」
後輩
「自分は平気っすよ」
先輩
「どうして?」
後輩
「赤ちゃんのカケル先輩も大好きっすけど、大人のカケル先輩も大好きっすからね」
先輩
「へぇー」含みがある
店長
「まあ!」恋バナ!!って喜ぶ近所のおばさん感
同期
「えぇ!?」
後輩
「じゃ、マキ先輩。お願いするっすよぉ~」
SE:ドア音
SE:足音
同期
「それって告はk……」
店長
「うわぁ〜! 根掘り葉掘り聞かないと!!」
SE:足音
先輩
「店長は料理を運んでください」
店長
「ズルい」
SE:ドアが閉まる音
同期
「まさかそんな……」
赤ちゃん
「あうう」
同期
「ああ、ごめんなさい。みんなで喋ってて相手してあげられませんでした。よしよ〜し」
赤ちゃん
「あう!あう!」ご機嫌
同期
「ご機嫌なのは嬉しいですけど、あんまり動くと椅子から落ちますよ」
赤ちゃん
「あ〜う!」ビシッ!!
同期
「ほんとにわかったんですか……それにしてもどんな料理が出てくるんでしょうね?」
SE:ドア音
店長
「は〜い、おまたせしました。こちら特製『トマトとモッツァレラのカプレーゼ』
と……」
同期
「うわぁ〜〜!」感激
店長
「『インスタントのコーンスープ』になります」
同期
「う、うわぁ〜」あまりの落差に驚きを隠しきれない
店長
「急だったし手を抜くところはとことん抜くわよ。カプレーゼも酒のツマミで作るの得意なだけだから。でも、メインディッシュは凄いから楽しみに待ってて」
同期
「そうなんですね。じゃあいただきます。カケルさんも」
赤ちゃん
「う〜あ」
SE:柏手1本
店長
「じゃあごゆっくり〜」
赤ちゃん
「あ〜う〜」ばいばい
SE:ドア音
同期
「スープからいただきましょうか。はい、あ〜んしてください」
赤ちゃん
「あ〜んん」"ん"が多いのはの部分は味わってるという意味
同期
「美味しいですか? まぁ〜、インスタントも美味しいですからね。じゃあ、私も」
同期
「んん、とっても美味しいです」
【間】
同期
「コレで・・・・・・カケルさんは大人に戻れるんですかね」
赤ちゃん
「あう?」
同期
「沢山残業して、出世もまだなのに重要なお仕事を任されて、その上ハナちゃんの教育まで考えて……ストレスだって溜まりますよね」
赤ちゃん
「あ!あ!」
同期
「全部飲み込みましたか?じゃあ、はい、次はカプレーゼです」
赤ちゃん
「あ〜〜ん!ん!ん!」美味しい
同期
「おいしいですか。よかったです」
赤ちゃん
「あう!」
同期
「ふふ、……でも、残業を手伝ったらお礼をしなきゃ! って考えて、でも忙しいから出来なくて、結局それが悩みの種になるなんて……」
赤ちゃん
「うう〜?」
同期
「ほら、あ〜んしてください」
赤ちゃん
「あ〜」
同期
「コレからはハナちゃんの教育をみんなで頑張ります。それに、お仕事だってもっと分担します。先輩がまたサボろうとしたら、みんなで働くように説得して……」
SE:ドア音
先輩
「は〜い、追加の料理を持ってきたけど」
同期
「わっ!」
先輩
「マキちゃ〜ん、なんの話ししてたのかしら?」
同期
「な、なんでここにいるんですか! 外で待ってるんじゃ!!」
先輩
「何って、ウエイトレスよ。わざわざそれっぽい服に着替えたんだから。はい、『カルボナーラ』とメインディッシュの『ステーキ』」
SE:皿の音
同期
「ありがとうございます」
先輩
「このお肉、いい値段したから味わってね」
同期
「自費、なんですか?」
先輩
「まあね。……カケル君」
赤ちゃん
「あう?」
先輩
「これからは誰かに仕事を押し付け無い程度にサボることにするから」
同期
「先輩……」
先輩
「私は戻るわ。デザートはハナちゃんが持ってきてくれるから」
同期
「それって……」
先輩
「今は着替え中、じゃあまたね」
SE:ドア音
同期
「さっきのは…… 先輩なりのに謝罪なんですかね? サボらないで欲しいですけど」
赤ちゃん
「う〜う、う〜う」ステーキを求めている
同期
「そうですね。冷めないうちに食べましょう。ステーキ、切ってあげますね」
SE:ナイフとフォークの音
同期
「どうぞ〜」
赤ちゃん
「あーー。んっ!んっ!」
同期
「ほんとに良いお肉ですね。焼き加減も完璧で柔らかい」
赤ちゃん
「あう!」
同期
「デザートも来ますし、今はパスタとステーキを味わいましょう」
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