友人談

 私の名前は、柊白子ひいらぎしろこ。これは、私の友人である暖井星那と冷水美空の話だ。

 二人と知り合ったのは、中学一年の時。星那と隣の席になった事がきかっけだった。二人は、基本的に二人一緒に行動をしていたから、星那と仲良くなったら、自然と美空とも仲良くなった。

 その時の二人の距離感は、友人や幼馴染みというより、恋人か新婚夫婦かのような近さだったのを覚えている。でも、それは、二人が……というか星那が美空を意識する中学三年までの話。

 急に星那が美空を意識し始めて、若干距離が開いた時の事は、しっかりと覚えている。美空が少し寂しそうにしていたし。

 ぎこちなさがあったのは、最初だけで段々と星那が元に戻っていった。でも、それは態度だけ。距離感は少し開いたままだった。

 こればかりは私にはどうしようもない事だったので、ただただ見守るだけだった……だったのだけど……そうとも言えなくなってきた。イヤホンを分け合ったり、互いに食べさせ合ったり、美空が星那のことを守ったり、美空が星那にクッキーあげたり……もう付き合っちゃえよ!! どう考えても、友達以上ではあるでしょうに!! そもそも星那が奥手すぎる! 美空が意識してくれないからって、本当に奥手すぎる! もっと攻めないと伝わるものも伝わらないよ! 特に、美空は若干鈍感なんだから! ああ! もどかしい!

 この心からの叫びを押し殺して、今日も二人を見守る。いつか、二人が付き合ったら、盛大にお祝いしてあげないと。これまでの鬱憤も込めてね。

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