世界と私(俺)と ②
「うっ・・・」
朝日があたり、眩しさで目が覚める
どうやら、自分はベットに寝かされているみたいだ。
「ここは、何処だ?」
周りには、様々な動物のぬいぐるみが飾られていた。ベットの横には、机があり、水が入った桶とタオルが置かれていた。どうやら、自分は目が覚めるまで、看病されていたらしい。
「何処の誰かは知らないけど、感謝しないとな」
体調は完全ではないが、ベットから体を起こす。そこで、あることに気づいた。
「なんで、裸なんだ?まっ、まさか倒れたのをいいことに部屋に連れ込まれて」
襲われた⁉︎と考えたがそれはないだろう。なぜなら、部屋を開けっ放しにしているからだ。誘拐したなら、当事者を部屋から逃がさない様に部屋には鍵をかけるはずだ。
「あ、目が覚めた?」
部屋の扉を眺めていると、女の子が入って来た。
身長は、今の俺より10cmくらい高いだろうか。金髪でサイドテール瞳は青く、お嬢様とでも言うのだろうか、上品な感じがした。胸はー。
「ペッタンコ」
「ぺ、ペッタンコ?そ、そりゃあ、あなたと比べるとないかもしれないケドCは、あるからね!Cは!」
絶対嘘だ、という視線で見ていると女の子の瞳がだんだん潤んできた。
すると、突然体を前に突き出して
「嘘だと思うなら触って見なさいよ!ほらほら。」
胸を触れと要求してきた。
「ちょ、何するんだ。やめろよ!」
「触んないとわからんでしょうが!絶対あるから、Cあるからぁ!」
「俺に、触らせいいのか!?」
俺の、質問に女の子はキョトンとした様子で答える。
「だって、私たち女同士じゃない?だから別に触られても問題ないわよ」
俺は、問題大ありなのだが・・・。
触らないと済みそうにないので、しょうがなく、胸を触ることにした。
本当にしょうがなく揉むのであって他意はない。
他意は、ない。重要なことなので2回言いました。
「じゃ、じゃあ。」
そこには、確かに膨らみがあった。
しかし、Cはない絶対にない!!
もみもみ モミモミ
「んっ、んんっ!」
揉んでいると、だんだん声が艶っぽくなっていた。それでも、俺は揉むことを辞めなかった。
モミモミ もみもみ
「んっ、そこっ。あっ!それ以上はらめなの〜!!」
ドコッ
「痛ってぇ!何すんだよ」
女の子に突き飛ばされ、ベットの角で頭を打つ。
「ご、ごめんなさい。あなたがあまりにも、上手いものだから・・・」
「上手い?何が?」
聞き返すと女の子は、顔を赤く染めうつむいてしまった。
何だか気まずい時間が流れる。ここは空気を変えなければ。
「あの、名前教えてくれる?」
俺の問いに女の子は、顔を上げる
「そうね、まだ名乗っていなかったもの。私の名前はルミア・クラウディア。呼ぶ時はルミアでいいわ。あなたが公園でスライムに襲われ、熱で倒れたから自宅で看病してたの」
スライムを倒して、助けてくれたのはこの娘だったのか。
「その件は、ありがとう。」
「どういたしまして。それよりもあなたの名前は?」
ここで、少し悩む。橘友里の名前を言うか、それともユーリ・トランブレと名乗るか。考えた後俺は。
「俺の名前は、ユーリ・トランブレだ呼ぶ時はユーリで構わない。」
ユーリ・トランブレと名乗ることにした。ここがアルデである可能性が高いと判断したからだ。
「トランブレ?トランブレってもしかしてあの?」
「あのって、言われてもよくわからないのだが。」
すると、ルミアは心底驚いた様子で
「えっ知らないの?トランブレ家って言ったら、王族じゃない!昔、魔王サタンを倒した一族でしょ。一般常識よ」
「何を言っている!トランブレ家は王族ではない。小さな村の領主(貴族)だったはずだぞ」
「あなたこそ、いつの時代の話をしてるのよ?そこから、魔王討伐後に
市民の圧倒的支持で王族になったんじゃない。ちょうど、王族が皆殺しにあった後だったから」
どうやら、俺が元の世界に戻ったと思ったのは違ったらしい。ここは俺が魔王を倒した後の、少し未来のアルデシヴェの様だ。少しと言っても高層ビルが立つくらい文明が進んでいるのだから、10〜20年くらいは、覚悟していた方が良さそうだ。
「ちなみに、今何年だ」
おそるおそる訪ねる。
「何言ってるの?今年はめでたい年なのに忘れちゃったの?」
「めでたい?何がだ?」
「あなた、本当に大丈夫。熱の影響じゃない?一回病院で見てもらった方が・・・。」
めでたい日?確か俺が魔王を倒した
王歴1665年だから、切りがよく10-20年の時がたっていると考えると1680年が妥当だろうか。
「そんなことより。早く!」
「そんなことって・・・。体は大切にしないと。えっと今年で新歴1000年目よ?」
「新歴?」
聞いた事が無い。それに俺は王歴しか知らなかった。
「そうよ?人類と魔族の戦いが終結した1670年から、王歴から新暦に切り替わったらしいわ。まあ、1000年も前のことだから詳しくはわかんないけど。歴史で習わなかった?それで今年がめでたい1000年目ってわけよ」
「1000年・・・」
ルミアの言っている事が理解できなかった。何よりも信じたくなかった。本当に1000年たったと言うのか。これでは浦島太郎ではないか、元の世界に戻ったとしても、誰一人俺を知るものはいないだろう。
「済まない。少し、部屋を出て行ってくれないか」
「あなた、大丈夫?顔が真っ青よ今から病院に行った方がーー。」
「いいから、一人にしてくれ」
「わかったわ」
俺の気迫に押されたのか、ルミアが部屋を出ようとして、扉の前で振り返る。
「誰にでも一人になりたい時はあるもの。何かあったら呼んで。服は取り敢えずそこのタンスにあるから好きなのを使って。」
「ありがとう」
「それと、これは私からのアドバイス。あまり、物事を後ろ向きに捉えちゃダメよ。前向きに考えること。それが、今のあなた一番必要なことだと私は思うのよ」
バタン
俺は毛布に包まる。
毛布の中で俺は泣いた。
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