幼馴染姉妹に(年齢的にも物理的にも)挟まれ癒やされるお尻フェチな次男系少年

尾道カケル=ジャン

疲れた夜には◯◯&◯◯

 バタン! ドタドタ!


「い、イモウトどうしたの?」


 自分の部屋で寝ようとしたところに、パジャマ姿のイモウトが乗り込んできた。


「にぃに、おしりまくらしてあげる!」

「は? わ、わわ!?」


 呆然としているスキに、イモウトがベッドに乗り込んでくる。

 っ、いい……匂い、あと柔らかいっじゃなくて!


「お、お尻まくらってなにさ!?」

「んぅ? そのままだけど」

「いやそれは分かるけど、待って、それはダメだよイモウト」

「でも、体が固まって動けないみたいだね~」

「そりゃ、急にこんなことされたら腰が抜けるでしょ! お願いだから、ソレ以上は――

「えーい!」

「あ」


 おしりが迫って、むぎゅっ!


「もごもご……」

「どう、にぃに?」

「むごむご……」

「どうしたのかしら、あらあらうふふ」


 この声、もしかして姉さん!?


「あ、おねえちゃん! こんばんは!」

「えぇ、月のきれいないい夜ね。ところで、オトウトくんが窒息死しそうだけど」

「え? し、死んじゃダメ!」


 ぷはっ! はぁ、はぁ、ふぅ……死ぬかと思った。いやまぁ、これから社会的に死ぬんだけど。

 でも、ボクにも男としてのプライドがある……正座して、乱れた服のシワを伸ばして……手刀を腹に当てる。


「腹を切って詫びます」

「え、なんでハラキリするの?」

「だって、血がつながっていないとはいえ、むしろ血がつながっていないからこそ、顔にイモウトのお、お尻を押し付けられて、その……」

「大丈夫よオトウトくん」


 なにがさ……あの、姉さん。なんで姉さんもベッドに上がってくるの?


「二人でしてあげようって約束なのに抜け駆けするとは……イモウトちゃん、恐ろしい子!」

「えへへ、ごめんなさいおねえちゃん」


 目の前で微笑み合う姉さんとイモウト。なんともなごむ光景だね、さっきの今じゃなければ!


「えと、姉さん怒らないの?」

「怒らないわよ。だって、お尻枕をしてあげようって提案したのは私だから」

「――――」


 ガシッガシ!

 ボクは逃げようとした! だけど姉妹に捕まってしまった!

 う、うぅ……石けんの香りが、ふわりってただよってきて、腕、女の子だからやわらか……


「い、イモウト! 姉さんも離してってば、お願い!」

「えへへ、離さないもーん」

「そうそう。それに、イヤなら突き飛ばしちゃえばいいだけでしょ」

「突き飛ばすなんてダメだよ! そんなことして怪我したらどうするんだ」


 怪我なんてさせない。だって二人は……あの、どうしたの。


「ごめんなさい」

「えぇ。謝らせてちょうだい、オトウトくん」


 え? 二人とも、急に謝るなんてどうしたのさ。


「にぃにの優しさにつけ込んで、ごめんなさい」

「えぇ。優しい子になってくれて嬉しいわ。その反面、私たちはダメダメね」


 しおらしくなって、うつむいてしまう二人。

 嘘泣き、なんて思ったけれど。二人とも涙を流していない。

 まるで、涙なんて枯れちゃったみたいだ。


「……ボクもごめん。二人のためとかいって無理して、それで心配させちゃって」

「ホントだよにぃに~~!」

「わわっ。もう、いつまで経っても飛びついてくるんだから」


 胸に顔を埋めてきたイモウトの頭を撫でる。

 たったそれだけで、悲しそうだった表情が安らいでいく……かわいい……寝息立ててない?


「イモウト、起きて。そしたら姉さんと一緒に部屋から出ていくこと」

「うみゅぅ? ぁふ、ダメだよにぃに。今までのお仕事でお疲れなんでしょ?」

「だから寝るんだよ」

「おしりまくらをしてあげたいけど、昔みたいにギュッしてもいいよ? あの時のにぃに、ぐっすりだったんだから」


 いや、たしかにそうだけど、ボクも昔は男じゃなかったから。そして今のボクは狼にもなれるんだから、ね?


「ふふ。オトウトくん、私たちがいたら興奮して寝れないのね」

「なんで? お姉ちゃん」

「ふふ、体も心も大きくなったからでしょうね」

「いいから二人とも――」

「もう! アタシも眠いんだからっ。にぃに、アタシたちのお尻で安らいで」


 いや待って、お尻こっち向けてこないで!


「そもそもなんで、そこでお尻なの?」

「だって、にぃにってアタシたちのお尻好きじゃん」

「」


 いや……いやいや! いやいやいやいや!!


「そ、そんなことっ」

「女の子ってね、男子の視線にすぐ気づいちゃうんだよ」

「うぐっ、その、あの、ごめんなさい……」

「そこでしっかり謝れるの、ホント、にぃにって真面目で素直で……しゅき♡」


 え、ちょ、なんか目にハートマーク浮いてるんだけど!? 幻覚だよね、イモウトって魔女っ子だったりしないよねホントは!?


「ちょっ姉さん!? 姉さん助けっうえぇ!?」

「あら、女の子に悲鳴を上げるなんてひどい子ね」

「だってだってだって!」


 姉さん、なんで下着姿になってるのさぁ!?


「あ、アタシもアタシも!」

「い、イモウト」


 そしてイモウトも下着姿になって、あぁもぉ、もお……!!


「それじゃあにぃに、おしりまくらしてあげるね」

「私もよオトウトくん」

「あ、あ、あぁ……」


 男としての本能からは……溜まりに溜まった疲労からも、逃げられない。

 二人の優しい手つきに、ボクはベッドの上で仰向けになる。

 そして、両耳を塞ぐようにして、姉さんとイモウトのお尻まくらが……。


「ふにふに、いいにおい……」

「えへへ、ありがとにぃに」

「しっかりお肌の手入れしているからね」

「でもにぃに、髪がチクチクするぅ」


 うっ……イモウト、素直過ぎてぐさっと来たよ……。


「ごめん。次、は……しっかり、枝毛、なくすから……」

「え、えぇ?」

「ふふ。次の約束してくれたわね。私たちもお肌の手入れ、しっかり続けないと」


 あれ。なにかとんでもないこと、言った気がする。なにを? ダメだ、ポヤポヤしてなにも考えられ……


「おや、すみ……」


 ふにふにして、いいにおい…………



 その後。

 ボクは5時間もぐっすり寝て。トイレや食事にストレッチで30分くらい起きてから、追加で3時間も寝てしまった。


「う、うぅ……仕事いっぱいあるのに」

「すっごいスッキリしたね♡」

「言い方ぁ!」

「オトウトくん、次も癒やしてあげるわ」


 あぁ、もう! ボクってば情けない!

 二人には二度と。恥ずかしい姿は見せない。そのために疲労やストレスは溜めなければ、部屋に突撃されても追い返して――



「疲れてるでしょ、にぃに♡」

「癒やしてあげるわ♡」



 …………


 二人にふさわしい立派な男に、なれそうにないなぁ……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幼馴染姉妹に(年齢的にも物理的にも)挟まれ癒やされるお尻フェチな次男系少年 尾道カケル=ジャン @OKJ_SYOSETU

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ