第2話


 次の日

 俺は、昨日の店の事が頭から離れずにいた。

 バーテンダーってどうやってなるんだろうか?

 そもそも資格とかいるのか?


 そんな事を考えながら歩いていると、


「おーい!おーい!」雄太だった。

「おはよう。」


「しゅん、昨日あの後すごかったぞ!みんな酔っ払いすぎて、何がなんだかよく分からんないままにめちゃくちゃ盛りあがって最後なんかみんなで肩組みながら大コーラスだったぞ!」

「どんな、集団だよ。」

「まぁな。それよりも昨日は悪かったな。」

「何のこと?ああそうか。いいよ!思うぬ出会いがあったから。」

「思わぬ出会い?しゅんくんそれは、聞き捨てならないな。どこの女子か詳しくおしえてもらわ無いと。」

「そうだな、女子では…無いかな。」

「えっ?しゅん、まさかお前…?そっちだったの?」

「違うわ!」

「じゃあ、どんなやつだよ。」


 こいつにこんな話をしても通じるのかと考えながらも


「バーテンダーだよ。」

「やっぱり。そうじゃんか。」

「だから、違うって!駅の近くに”ライムライト”っていうBarがあるんだけど知ってる?」

「あぁ、あそこか!」

「雄太、知ってるの?」

 まさか、知っていたとは


「やっぱり、女の子にモテるにはBarだろって調べていた所だったから。そこがどうしたんだ。」

「Barって全然知らなかったんだけど、あんな世界あるのか!って感動して。始めは、雄太みたいな下世話なもかと思っていただ」

「下世話なって!これは、男としての最低限もマナーだよ」

「あんな風になりたいなって!

 だから、おれバーテンダーになることにした!」

「話、聞いてた?なぜ、そうなるの。まぁいいけど。学校は、どうするの?」

「いま、とりあえず。色々調べてみようかなって。それから考えるわ」

「そうか、オレも昨日のマリちゃんお近づきになる為に頑張るわ!」

「頑張って!」



「ご飯に行くとしたら、どこがいいかな〜」

「それは、俺に聞くんじゃなくて本人に聞いたらいいだろう。」


「そうだな!」


 なんだか楽しそうだな。


 今までも何度も女の子にアタックしては、振られてきた雄太だった。


“今回もそんな風になるなよ”と心の中だけ言っておくことにしておくか。



 大学の講義の時間も頭の中では、別の事でいっぱいになっていた。


「…今回の……課題は」


 前の席に向けるとこの前の飲み会で出会った、マリがいた。

 同じ学部だったのか…



 たしかにこの前は、ちゃんと顔を見てなかったけど、美人だし清楚な雰囲気で雄太のタイプかもな。






 マリが席を立ち上がると、

「マリ、この前の合コンどうだったのー?」

 サエが後ろから声を掛ける。


「まぁまぁだったよ。」

「ふぅーん、なんか当たり無しって感じだね。」

「当たりは、なかったけど…」

「なかったけど?なになに?」


 なんだか楽しそうな会話してるな…

 それよりも早く調べなければ。

「まぁいいや。スタバで新作出たの知ってる?今日、行かない?」

マリは、講堂を足早に立ち去る、シュンの事を目で追っていた。

たしか、シュン君って…まさか…違うよね?



「ねぇ、マリ聞いてるー?」

「えっ?あ、ごめん。スタバの新作かいいね!行こうよ!」

「じゃあ!早速行くよ!」

「サエ、ほんと元気だね。」

「これだけが、取り柄だからね!」

サエのこういう所がすきだ。

カバンに授業の教科書しまうと、講堂を出た。




 

えーっと、とりあえず、何か始めればいいんだ?

 雄太じゃ頼りになりそうにないしな。


 スマホの画面を開き、検索をしてるみる事にした。


【バーテンダー  なる方法】

 検索画面に多くの情報が出てきた。


「なになに?…」

 表示された画面には、次のような事が書いてあった。


“バーテンダーになるには、資格や年齢は問いません。”


 おぉ、資格要らないのね!


“ただし、知識や経験は、必須になります”



 知識?経験?


“一般的には、ホテルなどで経験を積んだり、学校に通ったりします”



 ホテルで働くって事かまた専門学校に行くわけね。

 お酒の飲める学校があるのね、世の中知らない事ばかりだなと考えていた。



 5月も過ぎる頃ともあり、気温も上がっていた。

最近、日も伸びてきたな、夏が近づいてくる気配を感じた。


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