第4話 月は姉が好き
桜並木のベンチに2人で座るけど、何を話したらいいのかな。
月ちゃんは制服の袖をまだつまんでるけど、月ちゃんって意外と甘えん坊なのかな?
「月ちゃん、制服の裾をはなしてね」
「すみません……」
つまんでいた制服の裾をから手を離すと月ちゃんは
「わたしは……お姉ちゃんが好きなので……」
とつぶやいたのだった。
「月ちゃんはお姉さんがいるんだ」
「はい……お姉ちゃんとお兄ちゃんがいます……お兄ちゃんは就職して……家を出ますが……お姉ちゃんは……就職してますが……一緒に住んでいます……」
「そうなんだ。わたしも兄がいるけど、年が離れててるし大学がきかっけてで家を出てそのまま就職したんだ」
「そうなんですね……」
「月ちゃんはお兄さんとお姉さんと仲がいいの?」
「仲が良いです……特にお姉ちゃんは……わたしの面倒を見てくれるます……」
「そうなんだ」
「はい……学校に行く前に……お姉ちゃんが……髪を整えてくれます……」
月ちゃんはお姉さんが髪を整えてくれるそうだけど、今日は寝ぐせがついたままだったよね?
もしかしたら、今日はお姉さんが時間が取れなかったのかな。
「朝見た時、寝癖が酷かったけよね……」
わたしはぼそっと言ってみたけど、月ちゃんは
「いつもは家でお仕事をしてますが……今日は……オフィスに行ったので……時間がなかったです……」
と答えた。
「そうなんだ」
「少しは……自分でやりましたが……途中で面倒になり……そんまま学校へ行きました……」
途中で面倒になるなんて、流石月ちゃん。
さらに言うと、あの寝癖のまま学校へ行くのもすごい。
「そ、そうなんだ。でも、今は綺麗になってるよね」
「斉藤さんが……整えてくれました……」
さっき月ちゃんを呼んでくれた斉藤さんがしてれたんだ。
わたしに声をかけてたし、月ちゃんを呼んでくれたから面倒見のいい子かな。
「その斎藤さんは面倒見がいい子なのかな?」
「はい……斉藤さんも……お姉さんというので安心できて……好きです……」
月ちゃんはこう言うけど、月ちゃんにとって「姉」というのは安心できる存在らしい。
「月ちゃんはお姉さんが好きなんだ」
「はい……お姉ちゃんは好きです……そのせいか、お姉ちゃん……見たい人は安心できます……」
「そうなんだ」
「はい……。あと……お姉ちゃんがいないと……身の回りの事が出来なくて……困ります……」
月ちゃんは面倒くさがりとうけど、それに加えて姉さんに依存してるみたい。
ただ、高校生になって自分の身の回りの事が出来ないのは困るかも。
「月ちゃんも高校生になったから、自分で出来るようにしないと」
「はい、わかっています……着替えは自分で出来るようになりました……。ただ、髪を整える途中までしますが……途中で面倒になります……」
月ちゃんも自分ででする様にしてるけど、どうも途中で面倒になっちゃうみたい。
このままではいけないけど、なかなか治らない感じもする。
それに、お姉さんもずっと一緒に居られる訳けでもないしね。
「月ちゃん、お姉さんが居なくなったら困るない?」
「はい……困ります……だから自分で出来るように……がんばっていますがなかなかできません……」
月ちゃんも頑張ってはいるようだけど、性格上なかなか難しいみたいだ。
ただ、だからと言って無理をするのも良くないと思う。
「無理すると余計にできなくなるから、出来る範囲でやればいいんと思うんだ」
「お姉ちゃんにも……そう言われます……」
「そうなんだ。ただ、お姉さんが居なくなったらわたしが月ちゃんの面倒を見てもいいかな」
月ちゃんが心配になって、こう言ってしまったけど月ちゃんは
「……さくらさんなら……嬉しいです……」
と言って頬を染める。
わたしは面倒見がいい訳ではないけど、月ちゃんは心配で面倒を見てあげないといけないと思ってしまう。
「面倒見がいい方じゃないけど、髪や身だしなみを整えるぐらいならやってあげる」
「ありがとうございます……」
月ちゃんはわたしが面倒を見てくれることを喜んで笑みを浮かべる。
月ちゃんは話していてもあまり表情が変わらないけど、本当に嬉しい時ははっきりとわかるぐらい笑顔になるみたい。
そして、その笑顔が本当にかわいいので、わたしも思わずにやけてします。
「さくらさん……」
月ちゃんはわたしの名前を呼びながらわたしの肩にもたれたけど……思わずドキっとしてまった。
「すみません……なんか急に眠くて……」
月ちゃんは急に眠くなったようで、わたしの肩にもたれてうとうとするけど深い意味はなかったみたい。
それに、わたしもなんでドキっとしたんだろう……。
ただ、春の日が暖かく、吹く風が心地いので眠くなるのもわかるかな。
わかるけど、国道端の桜並み木のベンチで眠るのは良くない。
良くないけど、なんかこのままで居ても良いと思うので、わたしは黙ってこのままでいる。
それに、月ちゃんは寝息を立てているから動く訳にはいかない。
時より吹く風はによって、散り始めた桜の花びらをさらに散らせ、桜吹雪となって舞っている。
その舞った、花弁がわたしと月ちゃんの制服や頭の上に着くと、わたしはそっと払ってあげるけど
頭を花びらを払う振りをして、寝ている月ちゃんの頭をなでたのであった。
「すみません、寝てしまいました……」
10分ぐらいして、月ちゃんが目を覚ました。
「別にいいって、この陽気だと眠るたくなるしね」
「いつもは寝る事はないのですが……何か心地よくて……」
月ちゃんは何もしないでベンチに座って、ただただ空や桜を見上げているけど寝る事はなかったそうだ。
なので、月ちゃん自身も急に眠くなった事の驚いている。
「眠るって事はそれだけわたしが安心できるって事だよ」
わたしがニヤニヤしながらそう言うと
「そうかもしれません……」
と月ちゃんも少し照れながら答える。
「出会って数日で気を許すというか、安心してもらえるのは嬉しいかも」
「はい……桜さんは……安心できます」
「ありがとう。そにしても、月ちゃんって安心できるってよく言うのね」
月ちゃんは「安心できる」と言葉を口にするけけど、何か意味があるのか気になったが月ちゃん
「口癖みたい物です……。あと……わたしが安心でいる人は……好きな人と言う意味があります……」
と答えてので、またドキっとするとけど、月ちゃん言う好きはLikeの方だね?
「さくらさんの他に……お姉ちゃんも……斉藤さんも安心できる人です……」
やはりLikeの方の好きだったけど、何故かちょっと残念に感じてしまった。
でも、出会って数日で月ちゃんのお姉さんと同じぐらい安心してもらえるのは嬉しいと思った。
「お姉さんと同じぐらい安心してもらえると嬉しいかな」
「はい……さくらさん……お姉ちゃんと同じ感じがします……」
「実際にお姉さんだけどね」
「確かにそうですが……わたしは初対面の人が苦手なんですが……さくらさんはお姉ちゃんみたくて平気でした……」
「それだけ月ちゃんのお姉ちゃんに似てるのかな」
わたしは笑うけど、月ちゃんの反応は薄い。
元から月ちゃんの反応は酸いけど、何となく本当に薄く感じた。
「さくらさん……お姉ちゃんとはにていません。似ていませんが……同じ感じするので……安心できるのかもしれません……」
わたしと月ちゃんのお姉さんは雰囲気が似てるから、月ちゃんに好かれってことかな。
理由がどうあれ、月ちゃんに好かれたのは素直に嬉しい
「月ちゃんに好かれてるみたいから、嬉しいかな」
「わたしも……さくらさんと仲良くなれそうです……」
「ありがとう」
わたしがお礼を言うと月ちゃんは「いいえ……」といって、頬を染めてて照れている。
月ちゃんの性格から、人付き合いは苦手と言うかまさに面倒そうだけど、その月ちゃんと仲良くになれるのは本当に嬉しい。
「そろそろ帰ろうか」
スマートフォンの時計みたら、18時近くなのでここに1時間ほどいた事になる。
それに、日も陰り始めている。
「そうですね……そろそろ帰ります……」
「今日は面倒じゃないんだ」
わたしが少しからかうように言うと
「さくらさんを……心配させたくないからです……」
と月ちゃんは少し顔を横に向けて言う。
「そうなんだ、ありがとう。それじゃ、気を付けて帰ってね」
「はい……。家は近くなので……大丈夫です」
「それじゃ、また学校でね」
「そうですね……。では、また明日……」
わたしは月ちゃんを別れるけど、ちゃんと帰るかしばらく見守る。
そして、月譚の姿が小さくなるのを確認するとわたしも帰路に着いたのであった。
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