第26話 海 更衣室 水着




 最寄りの海まで電車で二時間。


「やっと着いた~」

「まぁ、予定通りでしょ」


 浜辺についた美波と冴子は、早速更衣室で水着に着替える。


「美波さんの水着かわいいわね」

「えっ」


 唐突に冴子に褒められ、美波は思わずテンションが上がる。


(水着新調してきてよかった~)


「ありがと! いーんちょも……」


 そこで美波はようやく冴子の方を見る。


 それまでは意識的に見ないようにしていた。


 絶対エロい目で見ちゃうし。


 というわけで、今ようやく彼女の水着を正面から見た。


 彼女の水着は、おそらく競泳用とかの、だいぶスポーティーなデザインだった。


 あくまで機能性を重視した水着……なのだが、


(いーんちょが着ると何でもエッチだ…)


 もう美波の脳は手遅れだった。


「どうしたの?」


 深いV字ラインに気を取られて固まっていた美波に、冴子は不思議そうに首を傾げてくる。


「ううん、何でもない! いーんちょの水着、泳ぐの早そうだね」


 動揺して褒めてるのか褒めてないのか、よく分からないことを口にする美波。


 そんなこんなで、水着に着替えたふたりは更衣室を出た。



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