第10話 委員長を遊びに誘うギャル




 テスト期間が終わってしばらくして。


「あーめっちゃ遊びたーい」


 再々試を乗り越えて、やっと自由を取り戻した美波は娯楽に飢えていた。


「カラオケでも行く?」


 友達の麗の提案に、美波はうーんと悩み、


「そうじゃなくて~、もっと直接遊びたいっていうか」

「ならスポッチャとか?」

「今日体育あったじゃーん」


 美波は机に座ったまま手足をジタバタ。


「ねー麗、ゲーセン行かん?」

「パス」

「うえ~」

「だってあんたガチで勝負してくるじゃん」


 麗は肩を竦める。


「えーでも本気でやんなきゃ楽しくなくなーい?」

「そういうのはレベル合う奴とやれ」

「麗冷たー」


 美波はぶつくさ言いつつ、チラッと隣の冴子を見る。


「いーんちょはゲーセン行ったことある?」

「ないわね」

「だよねー」


 予想通りの返答。


 そこで会話は終わっていたかもしれないが、今日の美波はどうしても遊びたかった。


「じゃあさ……私と一緒にゲーセンデビューしてみない?」


 その提案に、冴子は一瞬視線を逸らし、考える素振りを見せて、


「いいわよ」


 と、小さく頷いた。


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