第三話
おじさんは、何をしてるのだろうか?
おじさんは、気分が悪いのだろうか?
おじさんは、声を掛けると怒鳴るだろうか?
ドスン。
悦子の隣にスーツ姿がよく似合うスタイルの良い女性が座る。
サラッとしたロングの黒髪で、30歳前後に見える。
悦子しか知らないと思っていた、バス停への最短ルートからやって来た。
女性は急いで来たようで、額の汗を拭いながら息を吐き、おじさんを見つける。
すぐに立ち上がり、女性はおじさんに声をかける。
何を話しているか悦子には聞こえなかった。
ベンチに座っている悦子は、その様子を、家族と一緒に見るラブシーンのような気まずさで見つめる。
自分がおじさんに話しかけられなかったことを後悔したが、ホッとする。
何ラリーか会話して、女性は首を傾げながら一人でベンチに戻ってくる。
女性はおじさんを不思議そうに見つめる。
悦子は女性をチラッと見たが、すぐにスマホ画面に視線を戻す。
おじさんは、依然として地べたに座っている。
女性は、悦子の方を向いて言った。
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