第46話 戦略級魔導兵器


「ちっ、このままじゃあ魔導兵器がボルボックスを穿つ前にエリオールにボルボックスが着くぞ」


「ど、どうすればいいのよ!」


「『津波タイダルウェーブ』でなんとか押し出せないか」


「いや、無理だろう。あの巨体を動かすには相当なエネルギーが必要だぞ」


「じゃあどうすればいいんだ?」


 という会話が聞こえてきた。そうだよな、この状況もう無理じゃね。結界張りまくってボルボックスから耐えるのが一番いい方法じゃないかな。


 とそのときどこからか声が聞こえてきた。




「―――落ち着いて聞いてくれ、今のボルボックスはゾンビボルボックスというものになっている。ただゾンビとつくもののアンデッドではない。まぁ要するにあいつは普通の動く屍だ」



 ほうほう、なんか急に女性の声が聞こえてきた。声が無茶苦茶大きいためおそらく拡声魔法を使っているのだろう。


 ………普通の動く屍ってなんだろうか。普通屍は動かないと思うんだが。





「詳しい内容は省くがボルボックスは本来、光に向かって進む走光性機構というのがある。それは死んでもなお続いているはずだ。ボルボックスの後方に光を灯せ。そしたら光に向かいボルボックスは離れていくはずだ!」



 なんかすごくいい情報を提供してくれたのだが。心の中で感謝しておこう。



「情報提供感謝する!各員、光を放て!」


 指揮官っぽい人が命令を下す。



 ふふふ、遂に俺のターンが来たか。今から使う魔法はネタ魔法と呼ばれ、よく祭りに使われる魔法


「『花火ファイヤーフラワー』」


 を放つ。この魔法は異世界人が故郷を懐かしく思い作った魔法らしい。


 俺が昔読んだ『ネタ魔法大全集』に乗っていた。



花火ファイヤーフラワー』には多くの魔力を込めたためボルボックスの背後で他の魔法より、大きく派手にそして綺麗な光と音を出し散っていく。


 この魔法は人を驚かすのに非常に使えるのだ。非常に少ない魔力で使えるため察知されにくく、詠唱も必要ないためすぐにポンッと使える。

 そのため肩トンして相手が振り向くと同時に使うといいタイミングで魔法が炸裂し相手が驚く。

 使い方次第では戦闘でも使える有用な魔法だ。



 俺は『花火ファイヤーフラワー』を放ち続ける。この魔法、なんかキレイだから意外と好きだ。ボルボックスの後方でパァンとなっている『花火ファイヤーフラワー』。


 他の魔術師たちも光を放ち続けており、ボルボックスの背後がえらい派手に輝いている。ボルボックスの背後が光っているため威厳ある姿に見えてしまう。

 実際はただの毛玉なのに。






「おい、ボルボックスが離れていってないか?」


「おぉぉぉ、離れていってるぞ」


「あとは魔導兵器の展開を待つだけだな」


「この戦いが終わったら優雅に紅茶でも飲もう」



 俺も大声で叫ぶ連中に混じってみた。まぁ俺の場合叫んではないけどな。そこそこな声量で言っただけだ。

 それにしてもようやく離れていったか。これで一安心だな。



 ____________________



「魔導兵器の展開完了しましたっ」


「そうか。各員、衝撃に備えろ!魔導兵器を使用する!」



 夏祭りに使われる戦略級魔導兵器がボルボックスに使われるらしい。

 俺は考えたんだがやっぱりおかしいと思うんだ。夏祭りに使われる魔導兵器って何ですかね。



 俺は衝撃に備えるため地面に這いつくばり、上を見てみる。そこには無数の魔法陣が展開されていた。


 魔導兵器も展開されている魔法陣もかっこいいな。やっぱりこういう一撃必殺みたいなのはロマンがあるよな。


 魔導兵器から一瞬キラリと光が見えた。



「撃てぇぇぇぇぇぇぇ」




 魔導兵器から放たれた光はボルボックスを包みこんだ。


 ____________________


 読んでくださりありがとうございます!

 すこしでもいいな面白いなと感じていただけたら

 応援や★★★で称えてくださると嬉しいです。




 第1話高位冒険者の文章があまりにも気持ち悪いので、少しずつ編集しようと思います。だいぶ変わってると思いますが物語に影響はありません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る