第42話 殺戮パーティ


 魔法学校の学生が優秀すぎる件について少しビビった翌日、俺はエレガントにモーニングを過ごしていた。

 片手には淹れたばかりのコーヒーを持ち窓から外を眺める。日差しが眩しい。まるで俺を祝福しているようだ。

 下に視線を向けるとランニングをしている学生達がいた。楽しそうに話し合っている。うっ、輝いてみえる。




「フッ、愚かな。学校という小さな社会に囚われいつの間にか精神操作を受けていることに気付かない人間どもが。実に愚かしい。いつまであんな能天気な表情ができるのであろうか。実に見ものだ」


 と外にいる学生達を見て言いつつ、淹れたてコーヒーを飲む。


 ズビビッ



「熱っ」


 淹れたてコーヒーは熱かった。










 今日は部屋の中でダラダラ過ごすことにした。我が愛しのペット、ファルは妹が世話をしており、妹の部屋にいるし今は俺一人だけの時間だ。


 チラッと時計を見る。あっ、もうそろそろ7時だ。放送が近いな。






『―――本日は◯月△日です。天気はは晴れ、洗濯物が……』



 おっきたきた放送。魔法都市エリオールでは占い師が天気を占って都市全体に天気予報が放送されるのである。また放送を聞き逃したとしても都市内にいくつか魔光掲示板まこうけいじばんというのがあり、その日の様々な情報をそこに乗っけてくれるのである。



『非常に過ごしやすい日に――――魔王軍警報!魔王軍警報!北門に魔王軍が確認されました。魔導戦隊や魔術師又は冒険者の方は北門前にお集まりください。繰り返します―――』





 は?



 _____________________




 俺は優秀で聞き分けの良い冒険者であるため、放送の通りに城門をくぐり抜け北門前へと集まる。


 俺が集まったときには既に多くの魔術師がいた。



『―――これより防衛を行う。作戦は魔法をうってうって撃ちまくれ。以上』



 偉そうな男が前で喋る。魔力は豊富に持っているように見えるのでそこそこ強いのだろう。

 にしても作戦適当だな。


________________________











 そこでは蹂躙が行われていた。最初は威勢の良かった魔王軍だが、今では阿鼻叫喚の地獄絵図になっている。



 魔王軍が放つ魔法は魔法都市エリオールの強固な結界により弾かれ、こちらの魔法は相手の結界を貫き次々と倒している。


 俺はちょくちょく嫌がらせ程度に魔法を放っている。

 魔王軍の方をよく見るとすごく偉そうな奴がなにか喚いているのを見つけた。なんか怒っているように見えるな。あっ、魔法が当たって死んだ。


 すると魔王軍の生き残りは散り散りになって逃げていく。来たはいいもののなんかボコボコにされただけで可愛そうだな。


「ふー今日も魔王軍を撃退完了、と」


 近くの魔術師がいう。うん?今日、も?


「今日、も?」


 聞いてみる。すると


「ん、ああ、最近ここに来たやつか?魔法都市では月に1,2回魔王軍襲撃イベントがあるんだよ。日々、あいつ等には世話になってるからな。魔法都市に来たときぐらいは夜露死苦よろしくの意味合いを込めて手厚く歓迎するんだよ」


 へぇー、魔法都市の人達って優しいな。俺も魔王軍には日頃お世話になってるからまた今度来訪されたときは手厚く歓迎しよう。






 ズドーーーーーーーーーーーン





 魔王軍が逃げていったほうから凄まじい音がなる。

 土が舞い上がり姿を見ることができない。いきなり何が起こったのだろうか。魔力は殆ど感じなかったから魔法でもないだろうし。



 しばらく時間が経ち土煙が晴れるとそこには………ボルボックスがいた。


「ボルボックスが出たぞーーーー」


 辺りが騒がしくなる。周りにいる人達は我先にと城壁へ向かい駆け出す。俺は先程まで話していた魔術師の人に問いかけた。



「あれも月1で来るんですか?」


「いや、珍しい来客だな。死にたくなかったらとりあえずここから避難した方が良い」


 俺は城壁のほうへと駆け出した。



_____________________


読んでくださりありがとうございます。


嬉しいことに1500PV突破してました。

これからもよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る