第38話 魔法学校

 俺は妹と共に魔法学校に向かった。そして今魔法学校門の前にいる。


 やはり規模が違う。俺のいたルダニアの魔術学院もそれなりに大きかったがエリオールは更にヤバい。建っている建物の大きさや数が違いすぎる。



 少し魔法都市のことを舐めていたかもしれない。






 魔法学校には教師用の寮があるらしく妹もそこに住んでいるらしい。道中妹に教えてもらった。


 というわけで妹の家に訪問している。今は妹がソファに寝転がり、俺がキッチンでお茶をいれてるところだ。客なんだから俺こそそのポジションだろ。


「ねぇお兄ちゃん」


「なんだ」


「このドラゴン、なに」


「えっと、ファルだけど」


「違う、そうじゃない。いや名前も知りたかったからいいんだけど。このドラゴンどうやって捕まえたの?」


「龍の巣からパクって卵から育てた」


「えぇ〜、いいなぁ。ねぇこの子、ちょうだい」


「ダメに決まってるだろ。なぁファル」


「キュッ」


「ファルちゃん、私のほうがいいよね」


「キュッ」



 そのキュッはどういう意味なのだろうか。どっちかはっきりしてほしい。










 ___________________



「なんで私を呼んでくれなかったの。私もファルちゃんの名前決めたかった。」



「お前、魔法都市にいたんだから王都に来るの無理だろ」


「えぇ〜ひどくない。家族みんなで私をのけものにして」


 と会話しつつ俺は『空間保管庫ストレージ』からベッドを取り出す。


「えっ、なにそのベッド」


「えっと、寝る準備だけど」


「今日、ここに泊まるの?」


「その予定だったんだけど、ダメ?」


「いやダメでしょ。なにいってんの」


「………薄情、非情、無情」


「いやダメなものはダメだよ」


 しょうがない。こうなればあれをして泊めさせてもらうしかないか。

 俺はここに来て思い出したのが一つあった。

 そうそれは………


「決闘だ」


 俺はそう言い『空間保管庫ストレージ』からお気に入りの手袋を取り出し、ポイッ………とはせず妹の顔面に全力投球した。



「まぁ、とはいっても家族だし別に少し泊め―――へぶっ」


 なんか今言おうとしてたことがあったぽいが………聞かなかったことにしようかな。

 いや、でも今から謝ったら許してもらえ―――





「ふふっ、いいじゃん決闘。その喧嘩受けて立つよ」


 こめかみを引くつかせた妹が立っていた。




 10秒前に戻りたい。

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