第36話 おかしい


 おかしい。明らかにおかしい。都市の規模が絶対おかしい。



 王都スペクタル以上のにぎわい。道行く人々は活気に溢れ、大体が杖を持っている。そして時々見かけるゴーレム。


 道は舗装されており地面にゴミが落ちているということもない。

 そして時折、町中であるにも関わらず響く爆音。



 何もかもが王都と違っていた。



 そんな中とりあえず俺は冒険者ギルドを探していた。











 30分後


 俺はメインストリートから外れている冒険者ギルドを見つけた。


 なんか寂れている。にしても冒険者ギルドがメインストリートにないとは、魔術師ギルドはメインストリートにあって綺羅びやかで華々しかったのに。

 明らかな格差。俺が行った都市の中で一番寂れている冒険者ギルドだ。


 お腹が空いている俺は食事をするため冒険者ギルドに入った。








 やはり活気がない。あんまり活動していない感じ。

 とりあえずギルドに併設されている酒場にいき座席に座ったあとメニューを開く。



「少しいいかな」


 近くにいたウェイトレスに話しかける。


「はい、何でしょうか?」


「ワインとA5ランクのビーフステーキを頼む」


「ビールとポークステーキですね。承りました」



 ノリ良いな、ここのギルド。


 前ファンラークで同じことをしてみたら何いってんだコイツみたいな表情をされたあと「急いでますので」なんて言われて立ち去られた。俺が何したっていうんだよ!












 もしゃもしゃと昼食をとっているとギルドのドアが


 バンッ


 と開かれる。視線を向けてみるとそこにはザ・魔法使いといった風貌の男が5人居た。


「ははっ、いつ見てもここのギルドは寂れているな。さすが冒険者ギルド。魔術師ギルドとは違うな」


 唐突に煽りだす男が一人。何だ、こいつ等ケンカ売ってんのか。

 ………ただ寂れているというのには同意見だ。


「ほら、冒険者ども依頼書だ。わざわざ依頼しに来てやったんだ。感謝しろよな」


 ここを賑やかにできる名案を思いついた。あの5人を血祭りに上げたらこのギルドも賑やかになると思う。どうだろうか。


「おい、無視すんじゃねーよっ」


 周りを見れば誰もあいつ等のことを見ていない。誰にも振り向いてもらえないだなんて虚しいことこの上ないな。ウケる。


「舐めるなよ、冒険者共が」


 沸点ひっく。エタノールかよ。まぁいいや、食事をさいか―――


風球ウィンドボール



 ガシャン



 アイツラの内の誰かが魔法を唱えたのだろう。魔法によって目の前のテーブルが倒れされた。そして食器も落ちていて――


「ははっ、ざまぁないな。無視するからこんなことn―――」


「食べ物粗末にすんなや、ゴラァァァァァ」


「えっ」


 俺はギルドの入口の方に近づいていき


「さっき寂れてるつったな。今から賑やかにしてやるよ。お前らを血祭りにあげてなぁぁぁぁっ」


 5人組に殴りかかっていった。



 ______________________


 読んでくださりありがとうございます。

 皆様のおかげで1000PV突破しました。

 ハッピーです。

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