第33話 ギルティ
俺は読書をしている。混沌魔法に関するものだ。混沌魔法は精神に影響を与える魔法でメンタルが弱い相手に使うとあっさり倒せるためそこそこ強い。
いくら身体が屈強でもメンタルが豆腐だったら意味ないからな。
時刻はそろそろ夕方。読書をする前はファルが暴れた後の片付けをしていたため、少しつかれた。ファルはといえばすでに寝ている。俺が片付けをしている間に寝てしまったのだ、ふてぶてしい。
これから温泉に入ろうと思う。この宿屋には温泉が併設されており、温泉に入ることができるのだ。俺は着替えを持ち温泉へと向かった。
俺は今究極の選択をしている。眼の前には3つののれんがある。書かれているのは『男湯』『女湯』『混浴』だ。けど、まぁ実質2択だ。あとの一択は俺が社会から抹殺されるのが目に見えている。
というわけで魔力探知をする。それぞれの湯に何人入っているのか調べるのだ。魔力探知は魔法使いが扱う技術の初歩の初歩。使えなければ魔法使いと名乗れないほどである。でも初歩の初歩だからといって疎かにしてはいけない。
魔力探知は魔力の動きを探知し相手の動きを察することができるのである。
非常に有用だ。
『男湯』は8人、『女湯』は6人『混浴』は……1人か。その一人だが不審な動きが感知できる。何をしているのだろうか。
俺は混浴へさっと入る。服を脱ぎ、タオルを片手に温泉への扉を開ける。
そこには……
魔導カメラを片手に持った男がいた。
「ギルティ」
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「ちょちょちょ、タンマタンマ、待って」
眼の前の男が言う。何を待つというのだろうか。やっていることは明らかな犯罪だ。
「ギルティ」
「少し待て、落ち着くんだ。リラックス、リラックス」
この状況でリラックスできるわけ無いだろう。とりあえず目の前のやつは
「ギルティ」
「お前さっきからそれしか言ってないな」
それしか言うことないからな。
「自分で衛兵にいってこい。俺が言いに行くよりかは罪がかる――」
「フッ、まぁ待てよ兄弟」
いつ俺はお前の兄弟になったのだろうか。犯罪者の兄弟とかごめんだぞ。
「お前は俺と同士のような気がしてならん。どうだ俺を見逃してくれたら後々いいことがあるぞ」
こういうのは大抵ろくなことにならん。即口封じを―――
「ほら、俺がコレで撮った暁には見せて――」
「『
「――――ッ」
「からの『
まさか『
「まさか隙をつき『
「――――ッ、――――――ッ」
相手はポカンとした表情をしたあと首を激しく振り始めた。図々しくも『
というか………首もげないかコレ。すごい首振ってる。
とりあえず俺はこのまま外に出るのはマズイと思い、着替えるため温泉を後にした。
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次の投稿は一週間後になります。
すみません。投稿再開したあとでも読んでもらえたら幸いです。
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