第28話 コネ

 最近知らないやつに俺だよ俺されることが多いなと思いながらあとをついていくと高そうな装飾品がある部屋に連れて行かれた。


「どうも、こんにちはリライズ様。私はシラトスと申します。ご気分はいかがでしょうか」


「うむ、苦しゅうない」


 なんでこんな状況になっているのかイマイチよくわからんがノリに乗っておく。人違いというわけでもなさそうだしな。


「貴方様のお父上には世話になっております」


 ん、父上?商会関係者か。シェフト商会、意外と手広くやってるな。


「昼食を取られにいらしたのですよね。何にいたしますか」


 とシラトスは聞いてくる。


 なかなか食べられないものにしたいな。

 確か遥か東にある島国、ベルウッド帝国で人気の料理『ミソスープ』と『スシ』、あとは『カリーライス』っていうのがあったな。よし、それを頼もう。


「ミソスープとスシとカリーライスで」


「帝国ベルウッドの料理でございますね」


 と言ったあとそばにいた従業員と話している。


 帝国ベルウッドはこことは別の世界より来た異世界人によって作られた国らしい。昔はもともと異世界人ではなく世迷人よまいびとと呼んでいたらしいが、異世界人自身に訂正され、今では異世界から来た者は異世界人と呼んでいる。

 異世界人の大体の特徴は黒髪黒目。黒髪黒目を見たら異世界人と思えと言われている。俺は黒髪だが赤眼だ。だが、何回か異世界人と思われたことがある。異世界行ってみたい。


 あと俺は実際、魔術学院にいた頃、学院に留学しにきていた異世界人の子孫にあったことがある。そいつは先祖代々受け継いできた魔剣を持っておりとんでもなく強かった。




 少し考え事をしていたら


「どうぞ」


 と言われ、テーブルの上に料理が置かれた。


 スシはなんの魚が使われているか分からないが美味しそう。ミソスープも湯気がたっていてなんか美味しそう。カリーも茶色くてなんか美味しそうだ。


 今まで食べたことのないものだが美味しいに決まっている。


 あの美食家ジャン・クフード氏が帝国ベルウッドの料理を食べたときベルウッドの料理は美味しいと泣きながら語っていたそうなんだから。


 今まで食べたことのないものを食べるのは少し勇気がいる。


 俺は深呼吸しスシから食べた。




 あとのことは夢中になりすぎて覚えていないがこれだけはいえる。

 超美味しかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る