魔法都市

第26話 re:departure

 俺は今受付嬢の前にいる。ドラゴンの名前決め会議から1週間がたった。

 今日ミジンコがいたあたりに転移し城塞都市ダルブルに行こうと思う。

 予定より大幅に遅れてしまったが、焦る必要はない。時間はまだあるのだ。


「リライズさん、お久しぶりですね。今日はなんのようで来られたのですか」


 この前ホームシックと煽ってきた受付嬢、アイリスは意外と美人だ。綺麗な白髪に黄色い瞳。いつも受付してもらっている。

 いつも笑顔なのは怒らせると怖い証拠。怒らせないようにしよう。


「今日でこの王都を出る」


「ホームシックで帰ってきてもう旅にいかないのかなって思ってたんですけど行くんですね」


 俺も怒ると怖いぞ。


「ああ」


「再出発ですね」


 度付き回すぞ。


 あっ、そうそうこれを渡さなければ。『空間保管庫ストレージ』を開く。


「なんですか、これ」


「ファンラークに行ったときのお土産だ。果物が入っている」


「わぁ、ありがとうございます」


 受付嬢はにっこり微笑む。

 隙に俺はさっさとギルドを出た。




 _____________________




 俺は今空を飛んでいる。


 邪龍の名前を受け継ぎし我がドラゴン、ファフニール、略してファルは飛べるには飛べるがさほど早く飛べないため俺が持っている。少し重い。


 下を見るとデコボコになり、大きなクレーターが出来ている地面が見える。


 先ほど転移し、ミジンコと戦ったこの場所へ来たのだ。


 あとミジンコ討伐と発見、報告の報酬はなかなかすごかった。

 金貨800枚、8000万エルだ。これで豊かな老後が過ごせるのに1歩近づいた。

 しかし悩みもある。ドラゴンの餌代や家などにお金がたくさんかかるのである。

 育てることにしたのをちょっと後悔している。



 これから城塞都市ダルブルへと向かう。

 城塞都市ダルブルは大きい城壁と強固な結界があるらしく、それがかなり見ものらしい。それと英雄像。


 ファンラークより面白くなさそうと思いつつ、向かうのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る