第24話 そんなことが


 リビングについた俺は両親にどうやってドラゴンを手に入れたかというのとミジンコ討伐について語った。


「そ、そんなことが」


「まさか国内にミジンコがいただなんて」


 両親はミジンコが現れたことに驚いている。

 とそこへ


「リビングに集まっているけど、どうした――リライズっ」


 なんか話し合いに行っていたらしい兄が帰ってきた。


「ほう――」


(『集中コンセントレーション』)


 体感時間を引き延ばす。全て言わせない。多分、放火魔だとかなんとか言うつもりだろうが言わせない。言わせたらせっかく逸らした話題なのに意味がなくなる。



 机の上で寝転がりウトウトしているドラゴンをガシッと両手で捕まえ、魔力で強化した身体能力で兄の前へドラゴンを持っていく。


 この間コンマ1秒。人は残像がコンマ1秒見えると言われている。

 つまりこの一瞬だけ机の上にいた黒い物体と目の前のドラゴンが同時に見れるのである。

 まぁ、要するに兄からしてみれば机の上にあった何かが残像を残しながらやってきて、それはドラゴンであったということだ。


 さぁこの状況で冷静にいられるかな。


「k―――うわぁ、なにっ、えっ、ええっ、ど、ドラゴンっ」


 めっちゃ驚くやん。


「えっ、すご。マジのドラゴンじゃん」


 兄は驚きすぎて思考能力が著しく低下したらしい。語彙力がバカになってる。

 バカになった兄はドラゴンを見ていた。


「このドラゴンどうしたん」


 また説明するのめんどいなぁ


「あとで親から聞いて」


「分かった」


 あ、バカの時間が終わった。立ち直りが早いな。


「今日はそれを伝えに来ただけなのか」


 と父がいう。


「いいや、このドラゴンの名前を決めようと思って」


「へぇー、ドラゴンへの名付けか」


 という兄は少し楽しそうだ。

 兄はこういうドラゴンとかカッコイイの好きだったな、と思い出す。





 そんな話をしながら1時間後



 今家族のまえに一枚ずつ紙が置かれており、皆、頭を悩ませている。

 ドラゴンの名前をここに書くのだ。




 更に30分後



 皆、覚悟が決まった顔をしていた。もちろん俺もしている。


「よし、じゃあ父から時計回りに行こう」


 と兄が言う。そうなると父、俺、兄、母の順か。


「よし、じゃあ行くぞ」


 といい、紙を勿体ぶった感じで見せてくる。


 なになに『ダークネスドラゴンロード』



 フフフフ、し、死にそう。ネーミングセンス皆無。

 周りを見ると皆必死に笑いを抑えている。


「す、素晴らしい名前ね。センスがあるわ」


 母はなにか言わなければと思ったのだろう。上擦った声でいう。

 男性を褒めるときの『さしすせそ』を使ってるし。


 兄はというとうつむくだけ。しかし肩が震えている。笑いを必死に堪えているのだろう。


 父は周りの反応を見て恥ずかしそうに俯いた。哀れ父。



________________________


皆様のおかげで300PV突破しました!

ありがとうございますm(_ _)m

感謝です!これからもお願いします!


というわけで本日2話投稿です。

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