第20話 N
魔術師たちがまた詠唱を始める。役割はこれで終わりではないのだ。
俺はこれに関しては参加していない。
その魔法は使えるには使えるがあまり得意ではないからだ。
邪魔をしてしまったら悪い。
今は勇者がミジンコの気を引いている。
ミジンコはその触角で攻撃を繰り出しているが勇者はひらりと避け続けていた。
魔術師たちの詠唱が終わり、魔法を発動する。
「「「「「「『
ミジンコがガクッと倒れる。触覚も地面に押し付けられており動けない。
勇者はいつの間にか避難しており、攻撃範囲から逃げている。
感の良い奴め。
そしてS級冒険者達が一気に前に出る、とともに魔術師が放った魔法が消された。
魔術師たちが魔法を消したわけではない。ミジンコが消したのだ。
その証拠に後頭部にピンっと立っているトゲ状の物がある。
ミジンコが反撃の狼煙をあげる。
「魔力砲撃が来るぞ。早く防御を」
とどこからか声が聞こえる。
そして近くにいた一等級魔術師が
「『
と唱えるとともに周りが強固な要塞によって囲まれる。
1時間後
ドオオオオオオオン
俺が見ている方向とは逆の方向で大きな音がなる。
堅牢な要塞の中から、外を眺める。いい景色だなぁ。
決してサボっているわけではない。邪魔してくる魔物がいないか見ているのだ。
あ、ホケモーがいる。スライムとじゃれて遊んでる。かわいい。
これは決して楽な仕事ではない。常に気を引き締めなければ行けないのだ、と思いつつ紅茶を啜る。おいしい。
というようなことをしていたら、
「おい、そこの暇そうなやつ。ちょっとこっち手伝え」
と声がかかる。しかし返答はない。
当たり前だ。ここには俺一人しかいないが俺は暇ではない。つまり当てはまる人がいないのだから。
「いや、お前だよお前。無視すんなよ」
この場には俺一人しかいない。つまり俺に言っているのだろう。
でなければ、こいつは虚空に向かって話しかけていることになる。
「俺は今非常に忙しい。そのため手が離せない」
と応える。すると
「何処が忙しいんだよ。紅茶飲んで、くつろいでいるだけじゃねぇか。」
ごもっとも。しかし、俺はこんなところで諦めるわけには行かない。
よって
「気の所為だ」
と応える。
「馬鹿にすんな」
強制的に連れて行かれた。
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読んでくださりありがとうございます。
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やる気が出ます。
題名のNはニュートンのNです。
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