第16話 財宝
終焉の魔物ミジンコを閉じ込めた俺は天空龍を見た。
天空龍は生きているが今にも死にそうだ。そして、天空龍は俺を見ておらず何処かに目を向けている。その目線を追っていくと名前は分からないが高い山があった。
(あっちに何かあるのか)
と思い、そちらへ向かおうとすると、いきなり
当たれば死ぬだろう。そんな威力のブレスが迫ってきて……俺に当たらず過ぎていった。
『
瀕死のドラゴンのブレスで『
そして向こうに何かがあるのは確定したと言っていいだろう。天空龍は無視し名も知らぬ高い山へと向かう。
山へとたどり着き、少し探すと見つけた。
ドラゴンの住処だ。おそらくあの天空龍の住処である。
大抵のドラゴンの住処は金銀財宝、名剣に宝石に高価な魔道具などがある。
ドラゴンはきれいなものを集めるのが好きなのである。
あの天空龍も例外に漏れずたくさんの財宝を集めていたようだ。
「ふふふ」
思わず笑いがこぼれる。
「ふははははははは」
愉快愉快、実に愉快。この世界の中心にいるのは俺じゃないかと思うほど気分がいい。
こんなにもたくさんの財宝があるだなんて。
俺が有効活用してやろう。
そしてその財宝の中で一際目立つの
「ドラゴンの卵」
ドラゴンの卵は非常に高価であり、それ一つで金貨数千枚は下らない。
上級貴族が欲しがるほどのレアな代物。
しかもこれはあの天空龍の卵であろう。
素晴らしい。とりあえず全部『
生き物をいれることが無理な『
少し興奮しすぎたかもしれない冷静に冷静に。
っていうことでドラゴンの財宝を有り難く頂戴した俺はミジンコの方へと向かう。
あの天空龍はまだ生きていた。こちらを睨んでおり、死にかけなのに圧を感じた。
ただ、攻撃できるほどの気力はないようだ。
俺は天空龍を殺すため魔法を詠唱する。
天空龍はただこちらを睨むだけだ。
「『
俺は魔法を放ち、天空龍の首を断った。
牢獄で身動きがとれないミジンコは暴れている。
檻の中にいる猛獣が暴れているみたいだ。
これは早くギルドへ報告したほうがいいかもしれん。
俺はミジンコを眺めながら王都へと転移した。
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