第12話 胃痛

 side:エルムス


 あの恐ろしい冒険者が去った。

 飛んでいった方角を見るにファンラークへ向かったのだろう。

 僕らも向かう先はファンラークなので、出会わないことを願いたい。


 とりあえず、ワイバーンによる犠牲者を見なければならない。

 尻もちをついている状態から、立ち上がる。

 先ほどまで騒いでいたD級冒険者パーティーは気絶しているが、怪我はそこまでひどくなかった。この人たちが頑丈なのか、それともあの冒険者が手加減していたのか。

 どちらか分からないがとりあえず無事そうなので放置。自業自得だ。


 皆、ワイバーンにやられた傷は深く危険な状態だったが生きてはいた。

 商隊の人たちから、ハイポーションを譲ってもらい、ワイバーンにやられた6名の命をなんとか取り留める。

 これは街についたら治癒院に行く必要があるな。


 ファンラークへの道のりはまだまだ遠い。

 何事もなくつければいいが。


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 3日後



 やっと街が見えてきた。これで仲間も大丈夫だ。


 この3日間、特に強敵が出ることもなく、ゴブリンやオークぐらいとしか戦わなかったのでなんとかなった。


 ワイバーンという強敵に出会って死を覚悟したが、あの冒険者が多分、救難魔道具に気づいて助けてくれて良かった。


 もし出会ったときは感謝の言葉とお礼が必要であろう。


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 更に5日後



 街についたあとは商隊と別れ、仲間を治癒院へと運んだ。

 教会でも治してもらえるのだが、費用が非常にかかるため、骨折や打撲などの怪我ぐらいであれば大体の人は治癒院へ行く。

 冒険者が教会に行くときは大体、解呪か欠損部位の再生または蘇生であろう。


 その後、僕らは宿屋で部屋を取り、疲れをとった。



 そして今日、怪我をした仲間は前と変わらぬほど元気になっており、一緒にパーティー揃ってギルドへ向かった。


 今日は商隊を護衛したメンバーで集まり、報酬を貰う日だ。


 治癒院までメンバーで行ったとき大体の人は5日程度で治ると聞いたからである。


 ただ、D級パーティーのメンバーの一人が非常に複雑な怪我をしているらしく1ヶ月は掛かるそうで、治癒院の人は、死んでないのが不思議だ、と呟いていた。


 そしてギルドに辿りつくと何か問題が起こっており、誰かが言い争っているようだ。そちらに目を向けると


「おい、なんか言ったらどうだ」


「いや、お前誰だよ」


 護衛依頼のメンバーとワイバーンから救ってくれた冒険者がいた。



 どうしよう、胃が痛くなってきた。



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本日は気分がいいので3話投稿します!

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