第11話 意味不明
「いや、お前誰だよ」
というと相手は驚いたようで口をパクパクさせる。
なんか魚みたいで面白いな。
「お、お前それマジでいってんの」
「マジのマジ。大真面目だけど。」
すると相手の顔はどんどん真っ赤になっていく。
恥ずかしかったのかな?
いや、これめっちゃ怒ってる。すごい怒気を感じる。
「お、俺らから仲間とワイバーンを奪っておいて」
あれ、なんかそんなこともあったような。
「天誅とか言って殴ってきたじゃないか」
「あっ」
思い出した。こいつ、俺にいちゃもんつけて全てを
あとなんかワイバーンを奪ったとか言っているが、ワイバーンは俺のものだろう。お前ら、ワイバーン相手に手も足も出てなかったじゃん。
「返せよ、俺の仲間と金とワイバーン」
こ、こいつ本当に成人してるのか。
大体の国で成人と見なされるのは15歳になってからである。それと冒険者になるのは何歳でもできる。
まじで子供相手しているみたいで疲れる。
「お前の仲間を奪ったのはワイバーンだし、金はそもそも奪ってないし、ワイバーンを倒したのは俺だ。お前ではない。」
「ふざけるな!」
大声だしたら何でもまかり通ると思ってるお子ちゃまかよ。いや、お子ちゃまだな。
このお子ちゃまが大声を出すせいでさらに注目を集める。ギルド内のすべての目線が俺らに集まる。
「大声を出してどうしたのリューア。あっ貴方は」
「お、お前は」
「あのときの」
目の前のお子ちゃまはリューアというらしい。
多分リューアの仲間であろう奴らがくる。
そのうち一人が全身を包帯でぐるぐる巻きにしている。
「見ろ、あいつはお前のせいでああなったんだ」
ん、どういうことだ?
「アレは俺が殴ったやつなのか」
「いや、違う、お前がもたもたしているせいで生まれた犠牲者だ」
だよな、大怪我しないよう手加減して殴ったんだからあんなに重傷なのはおかしいよな。
でも、
「じゃあ、死んだやつは」
「えっ?」
「はっ?」
何言ってんだこいつ、みたいな表情で見られる。
えっ、俺がおかしいの?
と思っていたら別の声が話しかけてきた。
「えっと、これからは僕が説明します。」
といって俺の前まで来たのは畏怖の表情をするC級冒険者だった。
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